恋愛相談 ページ30
｢っていうことがあったんだけど……本っ当に草薙さんがカッコよくて……！｣
｢あーはいはいまたその｢草薙サン｣とやらの話かよ｣
学校にて、やや興奮気味に話す奏乃。
彼女の話す、気だるそうに聞き流している彼は桐戸柊真。
学校でもそこそこ有名なヤンキーであるが、その実情は世間で人気の高いアイドルヒーロー、｢ダークプリンス｣である。
｢お前ホントにそいつのこと好きだなぁ？｣
｢そっ……そんなことっ……！｣
必死に否定するが、その一瞬で茹で上がった顔は到底隠しきれない。
｢はぁ……早く告って付き合えよ……｣
ため息混じりに早く告れ面倒臭いとばかりに突っぱねる柊真に、奏乃がでも！ と返す。
｢……きっと私の思い違いだから……草薙さんはきっと、私のこと子供だと思ってるから……｣
｢んなことねーだろこの馬鹿野郎！ お前の話聞いてる限り完全に脈アリじゃねぇか！ さっさとくっついてろ！｣
｢でもっ……！ もし断られたら、私と草薙さんの関係が崩れちゃう……｣
｢お前のこと気にかけてくれてる奴がんなことするかよ！ どうせ両思いなんだから早く告白しろよ！ 毎回毎回お前の相談に乗らされる俺の気持ちも考えろや！｣
怒鳴るだけ怒鳴ってため息をつく柊真に、奏乃は問いかける。
｢……でも……どうしたらいいのかな……？｣
｢決まってんだろ！ デートだよデート！ 一発誘ってみろよ！ 多分喜んで着いて来るだろ！｣
｢えっ、でも、それは迷惑なんじゃ……｣
｢考えすぎだ馬鹿！ さっさとしろよ！｣
｢あっ待って！｣
それだけ吐き捨てると、柊真はその場から走り去ってしまった。
｢……行っちゃったなぁ……はぁ｣
……そんなこと言われても、私には何も出来そうにないのに。
｢……デート、かぁ……｣
暫く考え込み、その後真っ赤になってショートした奏乃が少し後の教室で見られたという。
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ：http
作成日時：2023年3月8日 14時
