プロローグB ヒーロー ページ7
…しかし、いつまで経っても痛みは襲ってこなかった。
代わりにそこにあったのは、座り込む東矢の目の前に立ち、その怪人の腕を受け止めていた一人の女。
華麗な和服を身に纏い、怪人に立ち向かうその姿はまさにヒーローであった。
彼女は本当にヒーローとして働いているらしく、怪人を倒すと東矢に話し始めた。
曰く、怪人の蔓延るこの世界で人々の平穏な暮らしを守るために戦っているのが“ヒーロー”、あるいは“魔法少女”と呼ばれる職業の人々だということらしく、今まで自分は人知れず彼らに守られていたようだった。
そして、東矢は己の前世を思い出した。
世界の平和を取り戻すため戦っていた勇者。
それが自分の前世。
世界の二分された種族を一つに纏めるべく、その勇気を振り絞り戦った者。
そんな自分が、この力を振るうのにはあまりにピッタリな職業であった。
それからというもの、東矢はヒーローとして働くことを決めた。
クラスメイトには笑われたし、先生や親には猛反対された。
反対される理由はわかる。
ヒーローという職は、最前線で怪人と戦うのが仕事。
故に危険で、常に死と隣り合わせなのだ。
それでも、東矢は決意を折らなかった。
この力を誰かの為に使うため。
東矢は大学には行かず、高卒でヒーローとなった。
記憶と共に転生前の変身能力や銃も戻り、東矢はヒーローとしての力と魂を持っていた。
18歳、東矢はヒーローとなった。
ノーブルグリーンの、誕生であった。
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:http
作成日時:2023年3月8日 14時