速度特化と反撃。 ページ26
……筈だった。
「えっ……」
倒した、その確信もつかの間で、ボスを緑の巨大な魔法陣が包み込んだかと思うとみるみるそのHPを回復させていく。
「まーじか……っ!」
HPが半分以上回復された。
その事実を叩きつけるように、大量の蔦が飛来する。
「っ、うおっ!」
「あっぶな……!」
「うわっと……」
「わっ!?」
何とか凌いだ。
ここからまた反撃だと意気込むメイプルの足元に、変化が生じた。
「っ、メイプル!」
「えっ?」
咄嗟にいち早く気が付き声を上げたカナデ。
即座に駆け出すも、間に合わない。
「うわぁぁぁぁぁっ!?」
地面から突き上げられた大地の力が、メイプルを空高く打ち上げる。
「メイプルーっ!」
「っ、う……」
そのまま地面に向け落ちていくメイプルを、なんとか着地点に潜り込んだカナデが受け止める。
「ごめん、カナデ……」
その防御極振りの圧倒的装甲は、確かにメイプルへのダメージを完全に防ぎきった。
だが、その特殊な攻撃に付与された状態異常は別である。
暫く何も出来ないメイプルを抱えるカナデは、改めて二人の方を向く。
「……僕が守るから」
「オーケー、やってやるよ!」
「うん、本来私たちの役目だったもんね」
目線を合わせ、一つ言葉を交わして二人は鹿へと向き合う。
長いこと共に過ごした四人の間には、絶対の信頼関係が築かれている。
カナデが言外に伝えた頼み。
二人に鹿への攻撃を任せるもの。
カナデはあくまで後方支援。
本来は高い素早さと安定した火力を持つサリーが火力を出し、圧倒的速度のAがそれを援護する。
圧倒的な火力を出せるバグみたいなメイプルがダウンしている今は、そうせざるを得なかった。
メイプルなら心配いらないかもしれないが、念には念を込めての行動である。
「んじゃ……」
「やろっか」
二人の顔に浮かんだ笑みは、酔狂なゲーマーそのものであった。
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リョウナ - 深緑クロロさん» ありがとうございます!!お互いに頑張りましょう!! (6月21日 8時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
深緑クロロ(プロフ) - リョウナさん» ありがとうございます、そう言っていただき嬉しいです!自分も誰かに助言なんて言える立場じゃないんですが、とにかく自分のやりたいように楽しく書いていくのが一番だと思っています。何事も楽しくなければ良い物を作ることは出来ませんから。お互い頑張りましょう! (6月20日 17時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
リョウナ - この作品、めちゃくちゃいいですね!!あと、書くのが上手すぎます!!それで、もし出来たらなんですけど、うちの作品にアドバイスをくれませんか?お願いします!!これです→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/heoaud/ (6月20日 15時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
黒炉@深緑ノ支配者@全初卓部員(プロフ) - 幽霊さん» ありがとうございます!これからも更新続けていくのでよろしくお願いします! (5月11日 16時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
幽霊 - この作品好きです!めっちゃ大好きです!!更新とか頑張ってください!! (5月11日 13時) (レス) @page29 id: fbfc17f9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:No.
作成日時:2023年2月25日 15時