真剣勝負 ページ20
｢さて、と…｣
ヒソカがその右腕を突き出す。
あまりにも不自然なその行為の意図は、常に凝を行っていたリーファなら容易に汲み取れた。
｢っ、と…雑ですね｣
｢まぁ、流石に避けるよね？｣
｢…！｣
飛び退いたリーファだが、やはりそれは分かっていたヒソカが立て続けにオーラを飛ばす。
｢くっ…！｣
咄嗟に剣で受け、自身の身を守りながら着地した。
苦虫を噛み潰したような顔をするリーファ。
｢…あれ？消さないのかい？｣
｢まぁ…そういう制約を行っていますので｣
｢ふうん、そうか♠️｣
具現化系の能力で産み出した物は、基本的に自在に出し入れが可能である。
しかし、ヒソカにオーラで絡め取られ奪われた剣は、一向に消える気配がない。
｢まぁいいや、取り敢えず…｣
｢…｣
｢キミは今無防備だからね♥️｣
再びヒソカが肉薄し、その拳を突き出す。
即座に受け流し、拳を握り締めるリーファだったが、それは間を置かずに放たれていた膝に止められる。
｢くっ…！｣
｢うん、体術だけだと限界があるみたいだね？｣
焦るリーファの眼前、ラッシュを繰り出すヒソカに対し、リーファは体をガードするしかなかった。
そして、それも長くは続かない。
｢…！うっ…！｣
その顔面向けて放たれた拳を防ぎ、空いた胴にヒソカの足が刺さった。
｢クリーンヒットッ！1Pヒソカッ！｣
リーファの華奢な体が吹き飛ぶが、即座に態勢を立て直し踏み留まる。
ダウンは免れた。
｢へぇ、でもダウンはしないと。流が早いね｣
｢どうも…！｣
何とかオーラを集め大ダメージは免れた。
しかしこれで1:1、イーブンである。
しかも、リーファの獲物は突撃間際にヒソカにより高い天井に貼り付けられている。
どちらが有利かは、一目瞭然であった。
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時：2023年1月22日 13時
