紅き月夜に舞うヴァンパイア ページ34
｢ッ、ワイド!?｣
｢折角来てやったんだから、感謝しなさいよ…｣
見るからに不服そうな顔をしているが、その目は目の前の獲物に釘付けになっていたのだった。
｢ふぅん…味はともかく吸い甲斐ありそうね｣
散々魔力を撃ち込まれ続け、暴れ疲れたそれはぐったりとしていた。
ワイドはそれ目掛けて歩み始める。
｢まぁ、折角用意してもらったもの。
美味しいところは貰えるだけ貰って行くわね｣
そう言って彼女はゴーレム目掛け跳んだ。
そしてその体に飛び込む。
｢ッ、ワイド!?｣
｢落ち着け｣
その予想外の行動に思わず声を張り上げてしまうが、すぐにマールドに宥められた。
｢あいつはこのくらいで死ぬようなタマじゃないからさ｣
そんな信頼に溢れた言葉の通り、みるみるうちに巨人は苦し気な声を上げた。
中でもぞもぞと何かが動き回り、その度に何かが吸われるような音が響く。
次第にその動きが鈍くなり、どんどんと小さくなっていく。
｢…すげぇ…｣
｢わぁお早食いだぁ〜｣
普段ののほほんとした笑みを取り戻したフール。
最早、勝利を確信してもいいのだろう。
そして決死の抵抗も虚しく、その巨体は跡形もなく一人の少女に吸い尽くされてしまったのだった。
｢あー…不味かったけど魔力はかなりのものねぇ…｣
その味にやや不満げな表情をしながら戻ってきたワイドだった。
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クロロフィル＠リーフィア狂/あるりーす(プロフ) - 朱欄さん» ありがとうございます！これからも更新頑張りますね！ (2023年1月14日 20時) (
レス) id: c1253398fc (このIDを非表示/違反報告)
朱欄(プロフ) - Banana is Kami(作品最高です!キャラデザがすごく好きです!特にワイドちゃんがかわいい←あ、星押しときますn(() (2023年1月14日 20時) (レス) @page3 id: efb6a7397d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http
作成日時：2022年12月29日 21時
