木漏れ日の差すアパートで (ページ45)

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料理ページ45

｢…さて、と。そろそろ飯作るか｣

時計を見たマールドが立ち上がって部屋を出て、食堂へと移動する。

今日はバイキングではない。

するとマールドはおもむろにキッチンへと入っていく。

月一回で行われる、住民による料理の日だ。

そして今日の当番はマールド。

｢…シンプルに肉の生姜焼きにすっか｣

雑に物色し、
とりあえず料理を決定したところで早速生姜を取り出す。

｢えーと、生姜をすり潰してと、醬油、砂糖、酒…こんなもんか｣

大きなボウルに材料を大量投入して混ぜ合わせ、タレを作っていく。

と、ここで肉を取り出す。
スーパーで買ってきた生姜焼き向きの豚肉だ。

まずは筋を切り、バリアで叩いて柔らかくするのと焼いたときの見栄えを良くしておく。

次に薄力粉を全体にまぶしていき、焼く準備を始める。

幸いフライパンはかなりの量ある。
例えコンロが足りなくともマールドが自前でいくらでも作れるのだ。

｢よっと｣

それぞれに油を投入していき、火をつけて馴染ませていく。

｢よし、そーれっと｣

馴染んだところで一気に肉を次々投入していき、どんどん焼いていく。

あっという間に焼き色がついたのでどんどんひっくり返す。
バリアで作った方は自分の操作でひっくり返し、フライパンの方は自ら菜箸で裏返していく。

そうして焼いていけば、次々と美味しそうな生姜焼きが出来上がっていく。

｢…うん、我ながら上出来だな｣

最後にタレを投入していき、よく絡ませれば完成だ。

皿に盛り付けていく様はもう手慣れたものだ。
ついでに並行して炊いておいた米や、最初から切ってあるタイプのキャベツを添えればほら、完璧だ。

そうして美味しそうな匂いにつられた住民たちが次々集ってくる。

｢よっしゃお前らどんどん食え！いくらでも作ってやっからな！｣
｢｢｢｢｢｢いただきまーすっ！｣｣｣｣｣｣

美味しそうに頬張る一同を眺め、満足そうに頷くマールドであった。