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疾走するは紅蓮の焔 ページ6

「…ところでコイツって倒せるのか?」

巧は走りながらふと頭に浮かんだ疑問を並走するマールドにぶつける。

「知らんわ」

当然のようにそう返ってくるが…

「…いや、試してみる価値はあるか。どれ」

走りながら器用に弓を展開する。
そして煌めく雷を矢の形に整えた。

「いよっ、とォ!」

稲妻が走り、化け物に直撃する。
ついでにフレアの口から放たれた火炎弾も直撃した。
が。

「ガルゥ…」
「あり、効いてねーっぽいな」
「倒せないギミックボスみたいなもんか」
「らしいな」

大して効いている様子もないので倒せないと判断した二人はより逃げに徹する。

そんな彼らの背後では次々に人が死んでいく。

ある者はつまずき踏み潰され、またある者は食い千切られ、更にある者は体を引き裂かれてその命を絶っていく。

彼らの通る後は正しく血まみれの地獄絵図と化していた。

しかしそんなものに構っていては自分がその一部となってしまう以上、ただただ前だけを向いて走り続けるしかなかったのだった。

――――――――――

もうあれからどれ程走っただろうか。
一向に疲れを見せない化け物に追われ、先の見えない通路を走り続ける。

「なぁ、これってどこまで続くんだ?」
「知らんな。…で、それは置いておいて…」

マールドは後ろを振り返る。

そこにあったのは。









「おっと、当ててみやがれってんだ!」
「グルァ!」

平然と化け物の攻撃を避け続ける巧の姿があった。

「…何してんだよ」
「え、何って【剣の舞】貯めてる」
「ここはゲームじゃねぇんだぞ」
「…そうだった☆」
「オイ」

彼の癖だろうか。
それともただの遊びなのかは分からないが、攻撃をギリギリで回避し続ける巧の動きは洗練されたものであった。

到底死と隣り合わせの危険極まりない行為とは思えない緩さと安定感である。

「なんていうか…アイツらみたいだな…僕の胃痛は大丈夫か…?」
「ん、何か言ったか?」
「いや、何でも?ただすげぇなってだけだよ」
「へへっ、そうかそうか!もっと崇めたまえ〜」
「お前絶対余裕ぶっこいてんだろ」

そんな気の抜ける会話を続ける二人。

その背後で人が次々死んでいく中、その光景はまるっきり異様なものなのであった…

なんかいる…→←絶望マラソン、開始



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ルーチェ(プロフ) - しゅき() (2022年11月4日 16時) (レス) id: b38fd54f9d (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ??@ペテ神(初心者)#エタフェア?色担当(プロフ) - 好き()っていうか授業中に読んだら吹いた() (2022年11月2日 11時) (レス) @page17 id: 759cc49492 (このIDを非表示/違反報告)
クロロフィル@深緑の指揮者/あるりーす(プロフ) - 待ってなんでオリジナル5位入ってんの…? (2022年10月21日 22時) (レス) id: e7bd3124a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/  
作成日時:2022年10月12日 20時

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