シンオウ地方の旅路 part2 (ページ31)

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槍の柱へページ31

｢久々のデンガン山だなぁ～～
何があるかわからないから、エスパータイプか、格闘タイプの子を出しとく？｣
｢…いや、全速力で駆け抜けるぞ。シャンル、“追い風”｣

シャンルが力強く羽ばたき、追い風を起こして一向の体を加速させる。

｢シャンルの追い風は、速いなぁ。
リザードン、風の流れをわかるし、他の障害物は、エーフィで破壊出来るし。｣
｢まぁ、コイツ本来は起点要因だしな｣
｢ばぎゅあ｣

道中のポケモンを置き去りにし、ギンガ団下っ端をリーファの“タネマシンガン”やエーフィの“サイコキネシス”で吹き飛ばして駆けていく。

｢そろそろ、槍の柱近くのはず。｣
｢あぁ、この坂道を登れば…！｣
へ
螺旋階段のように続く斜面を駆け上がった先には…

｢あれ？槍の柱があるはずなのに……見当たらないね｣
｢…？空間が、裂けて…？｣

二人を待っていたのは、歪んだ世界中の入り口であった。

｢これって、歪みの世界かな？
パルキアやディアルガが関わってるとしかないよ。｣
｢…嫌な予感がする。気を付けていくぞ｣
｢お～～!!」

またアカギの仕業なのか、そう考えつつも歩みを進める。
そして、そこに立っていたのは、やはり…

｢アカギさん……」
｢…お前達か｣

ゆっくりと振り返った男は二人の予想通りの人物、だが…
その手には、赤い楔が握られていた。

｢その赤い鎖はまさか……ディアルガ達を操る為の赤い鎖。｣
｢あぁ…これを使えば、私は…ようやく完全な世界を創ることが出来るのだ｣

そう言うアカギは変わらず無表情だが、どこか恍惚としているかのようにも見えた。
そして彼がその楔を掲げれば、真っ赤な光が一面を支配する。

｢ッ…眩しいッ…！｣
｢アカギさん！！」

その叫びは、歪んだ世界の中に空しく響くだけだった。

代わりに現れたのは、裂けた時空の中から現れた三体のポケモン。

ダイヤモンドのような核を持ち、時計を思わせる鋼鉄の装甲を纏った四足歩行のポケモン、ディアルガ。

両肩に真珠を思わせる意匠を施し、背中には翼のようなヒレを生やした二足歩行のポケモン、パルキア。

そして、ドラゴンゾンビを思わせるような黒く大きな翼を持った六本脚の竜、ギラティナ。

その全てが、一斉に咆哮した。

｢嘘……ディアルガ、パルキア、ギラティナ…｣
｢…ぐっ…｣

凄まじいプレッシャーを前に歯を食いしばるクロロ。
しかし、その手は自然とそのベルトのボールへと伸びていた。

｢ダメ！！」
｢…ここで僕が止めなきゃ、色々と不味いことになる｣

タクトの瞳には、譲れない強い決意が宿っていた。