潜入捜査 25 ページ34
マルコさんはその正体が
誰なのか分かっていたようで
もがくことなく、闇に飲まれる
闇の中に沈むと
底にはAがいた
「ったく、邪魔すんなよぃ」
「悪いね、見張りの数が増えたからさ
こっちの方が安全だと思って」
彼は腕を組みながら立っていて
その隣にはシャルリアさんもいた
「・・・昨日の事件のことで?」
「そう・・
来て、俺の部屋まで案内するよ
Aの荷物もあったよね?」
うん、と返事をすると
彼らは後ろを向いて、来て、と言う
マルコさんに降ろしてもらってから
私たちも彼らの後を歩いてついていく
闇の中を歩きながら
彼は昨日の事件の詳細を教えてくれた
「逃げられた異世界人の正体は
藤上 亮
異世界人たちが、海軍本部を乗っ取っていた時
彼もここに来ていたんだ」
「これが、彼のデータです」
シャルリアさんから
ぺらっと一枚の紙を渡されて
私とマルコさんはそれを凝視した
「日本人・・・・!」
「Aと同じかよぃ」
「あぁ・・・だけど彼は・・
見たことのない能力を使っていた」
彼が語るには
その藤上さん、という人は
異空間から大きな白鯨を生み出したらしい
「でも、攻撃することなく
目くらましに使われたんだ」
「そいつの目的はなんだ?
また、こっちの世界の征服か?」
Aは、いや違う、と
すぐに返答した後
悲しそうな声色で答えた
「・・藤上さんの目的は
元の世界への帰還だ・・
娘と、奥さんに会いたいって
真っ直ぐな瞳で言われたよ」
マルコさんは、その返答を聞いて
一瞬動揺した後に
そうか、と悲しげに言った
「彼には強い意志を感じた
・・・Aやマルコみたいにね」
「そしたら、助けなくっちゃね」
「ふふっ、そう言ってくれると思った!」
彼は嬉しそうにこちらを向いて
ありがとう、と言った後
すぐに闇の出口に着いた
闇の中を抜けると
そこはAの部屋で
わさびが私の荷物を背負って
不貞腐れたように待っていてくれた
「わさびぃぃぃ!ごめんよぉ」
「グゥ・・・・」
「帰ったらいっぱい遊ぶからさぁ・・」
「ガゥ」
「許してくれるの・・・?
優しいね・・・好きだよぉ」
わさびの首辺りをさわさわと
触りながら、そう言って
荷物を持って、わさびに乗る
「それじゃ、また何か
藤上さんについて分かったら
連絡する」
「うん!
こっちも聞き込みしてみる」
Aは頼んだ、と言って
シャルリアさんと一緒に
私たちが飛び去って行くのを
見守ってくれた
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ロモォコ - まなかさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです〜!!これからもよろしくお願い致します!! (2021年11月10日 14時) (
レス) @page42 id: f9fe79d7b3 (このIDを非表示/違反報告)
まなか(プロフ) - めちゃくちゃ文字打ったら短い文章にしろと言われ、、泣 最初から読みました！大好きです！！更新楽しみにしてます！！(こんなんじゃ言いたい事足りない泣) (2021年11月9日 19時) (レス) @page42 id: 3d8bc76236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2021年9月26日 2時
