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『さよーならー』
今日も退屈な学校が終わった。
彼女も友達もいない俺は、さっさと帰る。
「ねえソラ、帰りどっか寄らない?」
誰だと思ったら、隣の席の前田君だった。
気軽に話しかけてくれる人なのだが、俺にはうっとしかった。
「ごめん、今日塾。」
塾というのは嘘だ。
彼には申し訳ないけど、つまらない付き合いにお金は使いたくない。
「そっか、また今度な!」
なぜ彼はそこまで明るくなれるのだろう?
彼がこうして誘ってくるのは初めてじゃない。
前も何度か断ったはずだ。
そう思うと、また自分が惨めに思えてくる。
学校は好きじゃない。
かといって、家にいるのも退屈すぎる。
高校二年生だから、そろそろ進路を決めなきゃいけないんだけど、授業もろくに受けてない。別に大学なんて行かなくてもいいし。
このままじゃ生きてる意味なくない?
いつも自分に問う。
なんで生きてるのか?
心のどこかできっと、生きてる意味を見つけたいんだ、俺は。
ふとポケットに手を入れたら、スマホがないことに気がついた。
そういえば、机の中に置いたままだったっけ。
学校へ戻ろうと思った。
でも気をつけないと、前田君なんかに会ったら揉め事になるよな…
回り道をして戻った。
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作者名:やま | 作成日時:2019年9月30日 10時