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遠慮がちに、男の子は色白な綺麗な右手を差し出した。
「い、イデア……イデア・シュラウド、です。」
「A・シェイドです。」
ミドルネーム含めると長いので省略。
差し出された右手を自分の左手で重ねる。
頭髪と違って、温度を感じさせない意外感にちょっと関心した。
両手が触れ合うと同時に、楽団による演奏が始まり、リズムを取りながらイデアさんは私の腰を、私は肩に手を伸ばす。
そして、男性のリードから始まるダンスなので、最初のステップはイデアさんから。
ゆらゆらふわり、くるくるゆらゆら。
自信なさそうな態度なのに、ダンスは普通に上手。
なのに、ずっと足元を見てる。
「イデアさん」
「え、あ、なに？……なんでしょう」
怯えながら、ようやくこっちを向いた。
「ふふ、やっとこっち向きましたね。」
くすくすと笑うと、またそっぽを向こうとする。
「あ、ダメ！こっち向いてて」
「えっっ」
戸惑いながら視線が絡まる。
「完璧なステップとリードなのに、目だけはおぼつかないのですね。なんだか水面の月のよう」
「それ、褒めてるの？」
「とっても綺麗だと思いますよ」
すると、白い顔に僅かに赤がさした。
「そそ、それは……君に、言われたくない…」
「褒めてくれるのね？やったわ」
「というかなんで僕を選んだの」
「青い炎が気になって。キラキラしてたから」
「キラキラ……？」
くるりとターンして、イデアさんに背中を向ける立ち位置になった。
「なんだか綺麗な魔法だなんて思ったの。」
「……！へぇ、変わってるね」
後ろから耳元に囁かれるのはなんだか変な感じ。
するとまた、くるりと向きを変えられて、向き合った状態に戻る。
「そうかしら？今だってほら、みんな貴方に釘付けじゃない」
「…本気で言ってる？みんなが見てるのは君だけだよ」
そんなことないと思うけれど……まあ、いいか。
そろそろ曲も終わるし、ダンスを断る言い訳でも探さないと。
楽団の演奏が終わると、拍手が巻き起こった。
四方八方からの喝采に、なんだか誇らしい気分になる。
「最初のダンスの相手をありがとう、イデアさん」
「ここ、こちらこそ…！シェイド公女…」
「Aって呼んで」
「A様、」
「様付けは嫌よ」
「Aさん！」
本当は呼び捨てで呼んでくれても構わないのに。
なんだかどこかで会ったことのあるような彼に、意地悪く微笑んでみた。
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あさき(プロフ) - 好きな作品に出会っちゃいました (9月14日 19時) (
レス) @page14 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
マナ石(プロフ) - チョコ狐さん» ご指摘ありがとうございます^^*修正しました (2021年2月7日 23時) (レス) id: 3b7a3734b9 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ狐 - あのぉ、5のところの今になってはくことができてとこも嬉しいのところ、「吐くこと」ではなく「履くこと」、ではないですかね？間違っていたらごめんなさい。好きです！ころからも頑張ってください！ (2021年2月3日 22時) (レス) id: fa7ecfc75a (このIDを非表示/違反報告)
マナ石(プロフ) - マザーグースさん» 誤字の報告ありがとうございます^^*早速修正してきます (2021年1月29日 0時) (レス) id: 3b7a3734b9 (このIDを非表示/違反報告)
マザーグース(プロフ) - 12のジェイドの台詞、「シェイド家」のところが「ジェイド家」になってますよ(ｺｿｯ)。面白いです、更新頑張ってください！ (2021年1月29日 0時) (レス) id: 446891bd7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マナ石 | 作成日時：2021年1月13日 23時
