悪役令嬢は二度目の人生をやり直し、カレッジ生は様子がおかしくなりました。【ツイステ】

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褐色の肌と、湖のような青色をしたフェロニエールを付けた白い短髪の彼。


アラビアンテイストな紳士服は、似合ってるようでちょっと服に着られているところが微笑ましい男の子。


私よりは背が高いけれど、雰囲気からして年下かしら？


ルビーのような赤い目をキラキラとさせて話しかける彼に、後ろに控えていた黒髪の従者が咎める。


「カリム、まずは名を名乗れ。そして丁寧語」


「あぁ、すまなかった！」


「ふふ、しっかりした従者ね」


くすくすと笑うと、従者はぺこりと頭を下げた。


「カリム・アルアジームだ！……です！公女様、是非オレとダンスを踊ってくれ……ください！」


「Aで良いわ。それに丁寧語も無理して使うこともないわ。苦手なんでしょ？」


「本当か！？それは助かる！ありがとう」


「ところで、そっちの従者は？」


黒檀のような真っ黒で、綺麗な長髪……それになんだか賢そう。


「いえ、公女様……私のことはお気になさらず……」


「ジャミル！ジャミル・バイパー！すっごく良い奴なんだ！」


「カリム！」


従者、もといジャミルの声を遮りながら、なんだか誇らしげに胸を張るカリム。


仲がいいなあ。


「貴方もカリムと同い歳？」


「は、はい。」


「なら私のことはAで良いわ。アジーム家には深く関わりを持ちそうだし。」


そういえば乳母がお見合いがどうのこうの言ってたかしら。


もしかしたらカリムが許嫁になったりして。


うん……ありえなくないわ……。


アジーム家は、熱砂の国の豪商であり、総財産はシェイド家と並ぶくらい…だったはず。


「そう、ダンスのお誘いなのだけれど、ごめんなさいね。私もうダンスは踊らないの。」


「そうなのか？」


「ええ。ちょっと疲れちゃって」


「そっかー、残念だ。じゃあ次踊る時は1番にオレを誘ってくれ」


「わかったわ」


すぐに納得してくれる人で良かった。


広間へと戻っていく後ろ姿に手を振り、さっきから後ろに隠れている紳士へと振り返る。


「イデアさん、どうして隠れるの？」


「せ……じゃなくて、僕はああいう明るい人が、に、苦手なんだ……」


「なるほど、そうだったのね。」


しおしおと萎れる青い炎に触れてみたくて、前髪を指で梳いてみた。


じんと僅かに熱をもっていて、髪質は柔らかい。


「…庭園、見て回りますか？」


「…ん、いいや。身体冷えるし」


来た時とは逆に、イデアさんのエスコートで広間へと戻った。

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