WESTがーるは神山担。

夜の日 ページ44

.









え、



神ちゃん、頭打っておかしくなったんかな。←






やばい。


どうしよ。






神ちゃんって、こんなにカッコよかった？






画面上では



かっこいい、可愛いしか言われへんかったけど。







生では、もう。



伝えきれられない、溢れ出すこの感情。






すき、ああカッコいい。








破裂しそうな頭の中で、神ちゃんの声が耳に届く。








緑「ごめん、困らせて」









悲しそうな顔。



また、謝らせてしまった。







悪くないのに。







「ううん、困ってないっ。」









帰ろうとした神ちゃんの腕を掴む。




神ちゃんが振り返った。





その目は、どことなく悲しい。








一瞬、言葉に詰まった。





だめだ、立ち止まるな。



勇気を出して、こぶしをぎゅうっと握る。








前を向く。




神ちゃんに視線をそらされないよう、目線を合わした。









「困ってないねん、うちだって、」









喋ろうとしてたのに。




神ちゃんの、目はもう、耐えられへん。




悲しそうな、瞳。









「っ、ごめん」









思わず、手を離してしまった。





神ちゃんは、相変わらず泣きそうな瞳。







神ちゃんが、踵を返してベランダの窓から部屋へ戻る。









「神ちゃん、聞こえる…？」









窓に耳を当てても、返答はない。






この際、もう言ってしまおう。




寝ていたって、それはそれでいい経験かも。←









「ごめんな、全然神ちゃん、悪くないねんで？」









語りかける。



神ちゃんのしゃくりあげる声が聞こえる。





泣いているんだ。








「うちは、」






ベランダの窓が、開けられる。





乱暴にあく、その窓。






目を見開く私、息切れしている神ちゃん。









神ちゃんの、顔が近づく。






なに、？









「、え」









リップ音のない、シンプルなキス。






なんで、神ちゃん…









緑「俺の、気持ち」








気持ち、って。








ぽかん、としていると神ちゃんが頭を抱える。






わしゃわしゃ、とかいたあと








緑「俺は、Aのことが好きやねん！」









顔を少し赤らめて言う、神ちゃん。









夢なんかな。






神ちゃんが、うちのこと好きなわけ。









「嘘…？」









.

嘘やろ→←夜の日

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す