【賽】音楽室【lur】

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そして気がつけば昼休み。
まろ先輩が気になっているらしい優愛についてくる？と訊いてみれば、返事はまさかのノー。
優愛曰く、「無理！ 青㮈先輩かっこよすぎて直視できないし、同じ空間で食事とか恥ずかしすぎて死ねるもん……！」とのこと。
今日初めて知った人への対応とは思えなかった。
優愛は中学のころからかなりの面食いだったけど、ここまで来るのは初めてじゃないかな……、と微笑ましくなる。
優愛にも進展あるといいなと思いながら、私自身の進展も願ったのは秘密。
想像だけてお腹いっぱい、というような顔をした優愛と別れて、私はりうらくん達と一緒に音楽室へ向かった。


「子供組もういるやん。はや」
「あ！ 大人組来た〜」
「遅いよ！」
「ごめんって」
「すまんなー、俺のクラスの授業が長引いちゃったんよ」
『お疲れ様です！』

私達1年生組が到着した時は、音楽室はまだ空っぽで。
しばらく4人で談笑していると、楽しそうな笑い声と共に先輩方が姿を見せた。
4人から7人に増えただけで、パーティーかのようにわいわいと騒がしくなる音楽室。
この騒がしさもいつぶりだろう……。
女子校はここまでじゃなかったからなぁ。

「よーし、じゃあ食べますか！」

皆が足の上にお弁当を広げたところで、ないくん先輩が勢いよくぱちんと両手を合わせた。

「いただきまーす！」
「いただきます！」
『いただきますっ！』

6人のお弁当は、どれも個性的で。
りうらくんのお弁当は、とにかくポテトポテト、そしてポテト。
いむくんのは……いつも思ってたけどあれ何？生春巻き？
しょーちゃんがいちばん普通で、でもご飯が兎の形で盛られていてすごく食べ辛そうな顔をして箸でつついている。
しょーちゃんって可愛いところあるよね……。
思い返してみれば、ペンケースのキーホルダーもスクバのマスコットもスマホケースも全部兎だ。
で、ないくん先輩はなぜか寿司。お弁当箱に。コンビニのとかじゃなくて。ダイレクトに寿司が詰まったお弁当箱。
やっぱりこの人が生徒会本部役員とか信じられない。
まろ先輩はコンビニのサンドイッチとおにぎりとコールスローサラダ。
こだわらないにもほどがあるのでは、と思うけど、今日は風紀委員で他の生徒より早く登校しなければならなかったのだろう、ということを考えると妥当かもしれない。
明日もこれだったら、流石に疑うけど。
悠佑先輩はなんとプロテイン。
確かに悠佑先輩体格いいもんなぁ。気遣ってるのか。
遣いすぎな気もするけど。

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