#2 ページ2
「…おばさん久しぶり。今は2月だから、4ヵ月ぶりかな?」
窓から、隣に住むおばさんが見えた。
「あ、あら凛(りん)君!?やだあ久しぶり〜!相変わらず肌白いわねー!雪みたいやわぁ!」
悪い人ではないんだ。けれどおばさんが大阪出身ということもあって、起きたばかりのテンションでは到底ついていけない。
「少し痩せた?まあずっと寝てたんやもんねー…今日、おばさん家おいでや。沢山ご馳走したるから!」
「…お世話になります。」
大好きなおばさんの笑顔が僕の中で温かくなる。
いつもおばさんには助けられてばかりだな。
「あらいいのよー。おばさん凛君大好きやから」
意味のわからない根拠で語るおばさんに、ついクスリと笑みが溢れる。
気づいたら、時刻は七時を過ぎている。
遅刻は避けたい。
「あ、ごめんねおばさん。時間だ!」
「おうおう。いってらっしゃい」
急いで学校の制服に袖を通す。
朝食は食べる気分でもないので食べず、誰もいない家から出…
ようとした。
玄関のドアをガチャリと開けたまでは順調だった。
そこからはもう状況が理解出来ない。
「覚悟してください。」
見たこともない美少女が、目の前で誰かに銃口を向けている。
「……っちょっ…!!」
この銃を持った可憐な少女は誰なのか、銃口を向けられた相手も誰なのか全くもってさっぱりだった。
けれど今にも撃ち殺しそうに引き金に力を入れていたもんだったんで、僕は刹那飛び出し、二人の間に割り入った。
瞬間、銃声が目の前から発せられたと思うと、自分の腕が熱くなった。
真っ赤なものが僕の左腕を伝い、落ちていく。
「っな、……………!?」
少女が驚き、銃を力なく落とす。
僕は急いでそれを遠くに蹴った。
「駄目だよ…銃刀法違反だよ」
視界がぐらりと歪んでいく。
「…どうしてあなたが……」
意識を手離す直前に聞こえたのは、そんな彼女のか細い声と、どこからともなく沸いた人々の叫び声だけだった。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひなたまん | 作成日時:2013年12月23日 13時