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「んー...」
アラーム音で目を覚ましたAは、体に重みを感じて身動きが取れないことに気づく。
「嘘やろ...(笑)」
しっかり胸に手を添えて眠る龍友が、抱きついた状態でぐっすり眠っている。
「龍友くん、退いて？」
手を退けようとすると、ちゃっかり胸元の手に力を入れる。
「ちょっと...(笑)」
呆れて笑いしか出ないAは何とか龍友を引き剥がしベッドから降りる。
龍「ん...どこ行くん」
「仕事って言ったやん」
龍「えー、もうそんな時間なん...」
寝ぼけているのか、目を開けることなくそう呟く。
とりあえず龍友のことは放っておくことにして、Aは身支度を始める。
とは言ってもヘアメイクは現場でしてもらうので、とりあえず荷物の準備と着替えなどを済ませた。
裕太が先にロケバスに乗って、その後Aを拾いにくるようになっている。
「もしもし？」
裕「起きてたん」
「起きてるよ、何なん」
裕「抱き散らかされて寝てるかと思ったわ」
「アホか(笑)さっさと寝たわ」
裕「えー、つまらんやん」
「どんな趣味やねん(笑)」
朝からマヌケな電話をしてくる裕太にも呆れながら話していると、裕太がロケバスに乗り込んだ様子。
「乗ったん」
裕「ん」
「じゃあぼちぼち私も出らなあかんかー」
朝やから早いやろ、とA。
裕「すぐは早すぎやろ。10分はかかるで」
「わかってるけど」
裕「なぁ、今日1時間くらい時間空くらしいで」
「あ、そうなん？ブラブラできるん」
裕「そう聞いた」
「じゃあ何か食べるか買い物したいなー」
すっかりディ●ニーに遠足に行く気分の2人。
龍「おはよー」
リビングにやって来た龍友がAに挨拶をする。
裕「起きてきたやん」
「ん、そうやでー」
おはよ、と龍友に言うと、後ろから抱きついてくる。
裕「龍友くんおはよー」
龍「ん、おはよ」
肩に顎を乗せて、ちゃっかり自分も受話器に耳を近付けて盗み聞きしている。
裕「昨日残念やったらしいな」
龍「ほんま。僕も寝てもうたし、やらかした」
「いや、何の話？」
龍「重大やろ」
「龍友くんだって寝てたやん」
龍「それがほんまあかんねん」
裕「飲むからやん」
龍「裕太くん止めてや」
裕「何で俺やねん(笑)」
そう笑うと、あと3分くらいやで、と裕太。
「ほら、退いて？」
龍友をほどき、荷物を持って玄関に向かう。
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2019年9月6日 20時
