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龍「立てる？」
「無理かも」
そう言って、今度はAが龍友にキスをする。
龍「ん...そんなことしていいん」
「あかんかー」
さっきまでの雰囲気が嘘のように、Aはおどけて寝室を出て行ってしまった。
龍「え、待ってやー」
「とりあえず準備せんと」
間に合わへん、と洗面台で顔を洗って、寝癖を直しているA。
龍「なぁ、生殺しやん」
そう言って後ろからくっ付く龍友が鏡ごしに映る。
「だって海行くんやろー？」
龍「そうやけど...」
「友達が迎えにくるって言ってたやん」
龍「そうやけどー」
「そんなに時間ないで？私だって化粧したいし」
龍「んー、そうやけど...」
髪の毛を整えて、夏らしいアップにしたAは、リビングに戻りたそう。
「ほら、向こう行くで？」
そう言って動き出すと、そのままの体制で龍友も歩き出す。
「なぁ、化粧するから」
龍「ん...」
ダイニングテーブルに掛けたので、龍友も向かいに座る。
「海風で化粧崩れるかなー」
龍「水着持ってきたん」
「ん、とりあえず持ってきた」
龍「ビキニ？」
「そうやけど」
せっかくダイエットしたし、とA。
龍「んー...」
「始まった」
龍「ちゃうやん」
「何がちゃうん？」
鏡の中を見ながら、龍友のヤキモチに対応しているA。
龍「もう、意地悪言わんでや」
「言ってへんやん(笑)」
どうしたん、と困ったように笑う。
龍「Aちゃんが悪いやん...」
「私のどこが悪かったん？」
龍「あんなキスするから」
「先にしたの自分やで？」
こういう時に、年上の余裕を見せられ、龍友は返答に悩む。
「海から帰ってきたら、私が空港行くまでゆっくりしよ？」
なだめるためにそう言うと、一気に表情が明るくなった。
「単純やな(笑)」
のんびりしようって意味やん、と笑っている。
こうして準備を済ませ、龍友の友人の迎えで海に向かった。
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「初めまして」
一緒になった友人数人に挨拶を済ませ、龍友が波に乗っているのを眺めていた。
『龍友めっちゃAさんの話してますよ(笑)』
「そうなんですか？恥ずかしいですね(笑)」
『楽しそうでよかったって思ってますよ、僕らは』
「そうならいいんですけど」
『龍友のことよろしくお願いしますね』
「こちらこそ」
友人の1人とそんな会話をしていると、龍友が海から上がってくる。
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2019年9月6日 20時
