Day5. ページ6
「…お前、ネロの部下だよな」
廊下で会ったロナルドに突然問いかけられる。
「…？ロナルドどうし」
カチャリ、という音とともに額に冷たい感覚。彼は無表情で私に銃を突きつけた。
「私が死んだらフィオねぇが悲しむよ」
「それは残念だ」
玉はしっかりと補充されている。
撃たれたら即死かぁ…。
ロナルドはいやらしい笑みを浮かべてる。
ネロのせいだよなぁ。
「私を殺して何になる？」
「お前はただの引き金にすぎない。」
「あーそうです、かっ！！」
しゃがみこみ彼の銃を持つ手に蹴りを入れる。彼は痛みで手放した銃を素早く掴み、
バンバンバンｯ
銃声が響いた。
じわり、服が濡れる感覚。
下を見れば自分の白いシャツは赤く滲んでいる。
くそ…っ
目の前の男も滲んで、霞んで…やがて黒になり意識に別れを告げた。
目を開けると自室の天井だった。ベッドの上に横になっている。
隣には、バルベロが。
「起きたか」
「…何が起こったの」
「フィオがロナルドを殺してフラテをネロが殺した。フィオはしっかり逃げた、これ。お前にって」
そう言って手渡された手紙には私の名前、裏にはフィオと書かれていた。
「…ひと段落はしたんだ…。」
「あぁ、あまりいい状況ではないがな」
そう言うと彼はどこかを睨みつけるように眉間にシワを寄せる。
「眉間のシワ取れなくなるよ」
「…俺は今自分が冷静でよかったと思う。…俺がネロみたいなタイプだったらロナルドは今頃ミンチだろうな」
「…その言葉だけで嬉しい」
「お前をこの手で確かめたい」
そう言って私の頬に手を添える彼。私は静かに目を瞑った。唇から彼の体温が伝わる。食われんばかりの勢いに応えるように更に深くキスをする。
あぁ、上手いな。女慣れしてるんだろうな…。
欲望に逆らうことは出来ずただ彼に呑み込まれるーーー。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：上田 | 作成日時：2017年6月6日 23時
