警視庁は知っている

さようなら ページ15

アーヤside

皆の様子はそれぞれだった。若武は明らかに取り乱しているけど、そんな自分にしっかりと強く蓋をして必死に正気を保ってリーダーとして、まとめられるように考えを巡らしていようだ。
後の残りの4人は放心状態、なにをすれば良いのか目的地を失った、迷子の男の子みたいに見えた。

いつまでも、立ち止まっていてもしょうがない。私は決心をより深くし、かおをあげる。

「ごめんなさい。今までありがとう。本当に楽しかった。さようなら。」

私は無理矢理微笑んだ。今日はなんだか無理矢理笑うことが多い日だ。悔しかった、哀しかった。

でも、これが一番ベストな選択なのだ。そう言い聞かせても心は言うことを聞きたくないようで。








泣いてやるもんか







私は袖でごしごしとなかった事にした。

でも、皆はしっかりと見ていたようで顔を強張らせ、心配そうに見つめてくれた。でも、誰１人、私を慰める言葉をくれたり、励ましてきたりはしなかった。

それを"気遣い"と私は勝手だけど、結論付けた。やっぱり、皆、優しいな、と思った。

私はそれを捨てて先にいってしまい、一生その事に熱中してその事を忘れようもするんだ。
皆は私の事をどう感じていたとしても、その私への感情を背負って引きずっていくんだろう。










私は忘れようとするだろうにな。






そんな自分は卑怯で、最低で、とても気配りの出来る、優しくて、可愛い女の子とは程遠い。












私はあたまを下げて深く、深く、謝罪と、感謝を込めて一礼し、カフェテリアを去った。

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