偏差値低めのJKに大正時代は無いって【鬼滅の刃】

第十九話　「腹式呼吸」 ページ19

構えて、吸った息を細く吐く。

言葉にすれば単純な事なのに
実践するとイマイチ感覚が掴めない。

どうすれば上手く感覚が掴めるか
思考を巡らせていると、私はとある事に気が付いた。


「あれ、待ってこれ"腹式呼吸"なんじゃね？」


私はこの呼吸法に覚えがあった。

タイムスリップする前から使った事があったのだろう。


その呼吸法に意識を集中させて


息を大きく吸い 細く 長く 吐いた


(あ これかも)


感覚が掴めてきたところで
木刀を突き出そうと動きかける。



だけどそれは何処からか聞こえた
草の茂みの音で制止された。

否、私が動きを止めてしまったのだ。


(…えっなになに怖い)


善逸くんは慈悟朗さんと修行中だし
その慈悟朗さんの元へ向かった梅子さんは
先程反対方向へと進んで行った

よってこの先には誰も居ないはず。

わんち動物じゃね？だとしたら危なくない？
そんな心配事が頭に浮かんだ結果
茂みの音がしたと思われる方向へ足を進ませた。


(入って平気だったかな…。怒られたらどうしよ)


桃の木が沢山ある中に
動物がいる気配は微塵も感じられない。


なぁんだ余裕で私の勘違いじゃん笑う
と思った瞬間、後ろから男の子の声がした。


「おい。ここで何してる。」

「いぎゃあぁぁあ！！！」


突然の後ろからの声に叫び散らかしてしまった私は
勝手に入ったことを謝ろうと咄嗟に振り向いた。

だが私の目の前には、
善逸くんでも慈悟朗さんでも梅子さんでもなく

黒髪で目付きの悪い男の子が立っていた。

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