あんスタ短編 (ページ38)

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Xmas.kaoru⑤ ページ38

会場のお客さんの入れ替え、舞台上の準備、ライブで使う小道具や衣装の設置と限られた時間で急ピッチに準備されて行く舞台裏

そんな中ー
「薫、大丈夫？」

騒がしい周りの環境に邪魔されることなく舞台袖で休憩しながらもイメトレに集中する背中が見えた

『…』
(あー…集中しすぎて聞こえてないかな？)

回り込んで目の前にしゃがみこんでみた

「かーおーる」

フッとこちらを見て一瞬何が起こったのか分からない様な目をしたその瞬間ー

『うわっ！！びっくりした～え、いつからここにいたの？？』

あわあわと椅子から落ちそうな勢いで慌てだした

「あはは、ちょっと前かな？薫、緊張してる？」

今回のフィーチャライブは、寸劇も交えたライブだから、お客さんの反応が楽しみ半分、どう見られるかを考えると緊張してしまう。
(一緒に考えてた私でも緊張するんだから、演じる薫はもっとだよね)

『まぁね？でも、うん。大丈夫な気がする。今肩の力抜けた気がするから』

ありがとう～♪と微笑んでいた

「そっか。だったら良かった♪成長した薫のパフォーマンス楽しみにしてるからね？楽しでおいで！」

背中をポンっと叩くと、さっきまでの柔らかな表情とはまた違う、アイドル、羽風薫としての微笑みを飾ってステージに向かった。

ーーーー

「えーでは！UNDEADのライブ＆薫くんのソロライブ成功を祝して、かんぱ～い！」

【かんぱ～い！！】

無事に全ての撤収作業まで終えると、関係者とUNDEADで貸し借りの飲み会が開かれた。

皆それぞれに会場内で楽しそうにしているのを見てほっとした。

(よし、もう抜けても大丈夫そうかな)

ひっそりと会場を抜け出し、バルコニーにやってきた

「ふぅ～空気が冷たくて気持ちいいな～」

(薫のパフォーマンス、凄かった…恋人である前に1ファンだから、艶のある歌声もダンスも寸劇なんて表情一つとっても魅力的過ぎてつらい…あ～かっこいいな～！！)

熱気冷めやらぬ頭にワインを1口付けると、笑顔が止まらない

(お酒が美味し～♪)

ふわふわした気持ちで空を眺めていると、グラスをひょいっと取り上げられた

『俺にも頂戴？』

伸びてきた手をおうと、薫が立っていた

(う、それずるいなぁ…)

「…それだけでいいの？」

ドキドキさせられたのを悟られたくなくて、薫の胸に飛び込んだ

『わわ！』

「今日のライブ、すごくかっこよかった。UNDEADとしてのライブもソロの歌も寸劇も、もっと好きにさせられた…ずるい…自慢したい…」

『っ//』