あんスタ短編 (ページ4)

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熱④ ページ4

取られた手に強い力で引き寄せられ、ベッドへと引きずり込まれた。

『なっちゃん？』

気づけば、後ろから抱きしめられる形になっており、手から、背中から熱いぐらいの体温を感じた。

「心配かけて、ごめんなさい。…ちょっとだけ、このままでいて…安心する」

力の入らない手で抱きすくめられた。

『…うん。』

捕らえられた手を握り返し、静かに目を閉じたー

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『…ん』

気づけば眠っていたみたいで、部屋が暗くなっていた。

(なっちゃんはー)

腕の中で反転すると、すぅすぅと静かな寝息が聞こえた。

(良かった…)

髪を撫で、頬に手を添えると無意識に擦り寄ってきて、口元が弛んだ。

『綺麗な寝顔…早く良くなってね？』

勇気を出して、少し背伸びをし、おでこにキスを落とした。

(さ、他の皆もそろそろ帰ってくる頃だし、帰らないとね)

名残惜しいけど、スラリと伸びる腕の中から抜け出して、メモを残し部屋を出た。

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次の日の朝、家を出ていつもの信号で待っていると、後ろからフワッと何かに包まれた。

「Aちゃん、おはよう♪昨日は心配かけてごめんなさい。もうすっかり元気になったわよ♪」

声の方に顔を向けると、昨日とは打って変わって顔色もお肌の調子も良さそうな、なっちゃんだった。

『おはよう！良かった…でも無理はしちゃダメだからね？』

青に変わった信号を並んで歩き、学校へと向かった。

「大丈夫よ♪だって、ワタシにはあなたの魔法がかかってるもの♪ね？」

と、おでこに人差し指を立てられ、ウィンクされた。

(なっ！え、もしかしてあの時…//)

急に恥ずかしくなって、耳まで真っ赤になった。

「あらあら、お顔が真っ赤よ～？今度はこっちの番ね？ﾌﾌ､可愛い♡」

ﾁｭｯ-

「じゃあ、また後でね？」

軽い足取りで下駄箱を通り過ぎていくなっちゃんを、立ち尽くして見送るしか出来なかったー

end.