あんスタ短編 (ページ30)

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復讐(晃牙)03 ページ30

色々聞きたそうな羽風先輩の視線を受け止めつつ、零くんに向き直る

「詳細説明するの面倒だから、後で羽風先輩に聞いといて？で、結論、復讐したいから、付き合って？」

『相手は？』

「音楽特区のやつ。対バンで負かしてやる！」

零くんから受け取ったチョーカーを付け、鏡で確認すると、赤くなった傷は綺麗に隠れた。

「よし、あとは…羽風先輩。どうでしたか？」

『あぁ…なるほど。やっとAちゃんのお願いの理由が分かったよ。相手も日程も諸々クリアだよ』

(…よし)

羽風先輩は、零くんに事の経緯を説明しながら、対バンの日程、このライブハウスの確保、相手の素性の特定、あとは…

『あ、これ渡しておくね？』

はい、と渡されたのは、口元以外の覆われた布と手袋、替えのTシャツ

『まるでバンドBBじゃな…して、晃牙くんにはどこまで内緒にするつもりじゃ。さすがに大事な人がこんな目にあっておるのに仲間はずれはちと寂しいんじゃないかえ？』

本当は伝えたい

でも、
「全部。心配を掛けたくないのもあるけど、理由が晃牙の才能への嫉妬に対する逆恨みだから、晃牙に伝えると仕事に支障がでちゃうと思うから。それは私が望まない。マネとしても恋人としても…ごめん」

優しい2人に頭を下げると、ポンポンと頭を撫でられた。

『変わらんな、昔から…ただし、この復讐は、Aだけの物じゃない。これはUNDEADの復讐じゃからな？』

『そうだね。晃牙くんの大事な人は俺たちの大事な人でもあるからね？』

2人とも…

「分かった。ありがとう。」

それから対バン当日までの準備を晃牙に内緒で進め、アドニスくんにも協力を仰ぎ、皆の協力の元無事に気づかれることなく当日を迎えることが出来た。

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ライブハウスには何も知らない沢山のお客さんと、ノコノコと誘いに乗って現れたヤツらが舞台に立っている。

『あ？アイツらって前に俺たちがコテンパンに負かしたヤツらじゃねーのか？』

袖でスタンバイしていた晃牙が眉間に皺を寄せた。

『うむ、そうじゃな。…なぁ晃牙よ、"次"が無いよう完膚なきまでに潰す気持ちで挑むぞい。よいな？』

いつも通りにも見える零の目は何処か冷酷に光っていた。

『お、おぅ…妙にやる気じゃねーか？ま、ぜってぇ負けるわけねぇけどな！』

ギターを抱え直し舞台に立ち向かい合うと、急に照明が落ちた。

『な、なんだ？』

カツカツと靴音が響き、音が近づくと同時にスポットライトが一点に落とされた

「覚悟しろよ？」