あんスタ短編 (ページ3)

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熱③ ページ3

ｺﾝｺﾝ-

｢開いてるよー｣

誰かも確認せず、返事をすると、失礼します。と扉が開かれた。

『お疲れ様です！泉さん、連絡ありがとうございました！それと、迎えの手配も助かりました。こっちは全て揃えて来たので、このままなっちゃん連れて行きますね？』

｢ほんとにね？アンタも大変だね？ほら、なるくん？しっかり看病して貰っといで？｣

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お昼休みに入った時、確認した、泉さんからの連絡には、

瀬名泉アンタの言った通り、なるくん相当熱上がってるみたい。仕事はしっかりやる。アンタは買い出しメモ載せとくから買ってからこっちまで来て。迎えは用意させとくから。

『なっ！車もう来るじゃん！急がないと！』

言われるがままに門前に止まる黒塗りの車に乗り、薬局へと急いだ。

『これで全部…かな？泉さんにもまた後日お礼しなくちゃ…』

(なっちゃん…)

ｰｰｰ
『なっちゃん、立てる？』

未だに着替えることも出来ずに座り込むなっちゃんに、借りていた上着と自分の上着を肩にかけ鞄と制服一式を持ち、屈んで顔を覗く。

「…はぁ...っ…」

真っ赤な顔で目を閉じ息が上がっていた。

仕方ない…

手に持っていた物を一旦全て全て鞄に詰め込み、なっちゃんの腕を取ると姫抱きにして抱え上げた。

「え、ちょっと！アンタそれ大丈夫な訳？途中で落とさないでよね～？」

泉さんは驚愕しながらも扉を開けてくれた。

『ありがとうございます、泉さん。でも大丈夫です。Knightsにも、…私にとっても、大事な彼なので。』

Knightsを、なっちゃんを守るために、日々見つからないように鍛えてるんだから。

『では、失礼します。お疲れ様でした！』

部屋を出て車の止まる裏門へと急いだ。
(もっと頼ってよ…私、怒ってるんだからね？)

ーー
なっちゃんを寮の部屋に送り届け、着替えと薬とその他諸々の備えをサイドテーブルに用意していると、

「ん…あれ、ここ…え、Aちゃん？！なんでここに…」

目を覚ましたなっちゃんが熱のある目でこちらを捕らえた。

『おはよう、なっちゃん。気分はどう？あ、とりあえずお水飲んで？話は着替えが終わってからゆっくり、ね？』

手に持っていた水を渡し、背中を支えてゆっくりと起こしてもらう。

濡れたタオルで体を拭き、備えていた着替えを渡すと、覚束無い手つきながらも、着替えてくれた。

『なっちゃん、食欲は？薬を…「A、ごめんな」っうわ！ちょっと！』