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エピローグ ページ45

観客side


『光音、笙馬、昴輝


手紙ってどんな事を書いていいかわかんなかったから、今思っていたことを綴る。


まずは、ありがとう。


3年前のあの日、助けに来てくれて。


正直、嬉しかった。


自分はずっと1人だと思ってたから、助けに来てくれた時は驚いたよ。


・・・笙馬と昴輝は怒ってるだろうなぁ。


光音が責められてるのが目に浮かぶ。


あんまりあいつを責めんなよ。


俺が黙ってろっていったんだから。


光音には、言っておいた方が良いと思ったから伝えたまで。


それにお前らの中じゃ、隠すの上手いし。


何も言わずに姿を消した事に、弁解はしないよ。


ただ、お前らに言って体調ばかり心配されるのは、性に合わなかったんで。


俺、お前らに会って、初めて「死にたくない」って思ったよ。


「生きたい」って思った。


俺にとっては、そう思えたことでだいぶ成長出来たと思う。


それだけで、俺はいくつもお前らに助けられてきたんだな。


多分、お前達には感謝しきれないと思う。


俺さ、生まれてきて良かったのかな、とか思ったりした時期もあった。


だけど、光音が言ってくれたんだ。


「ゼンが死にたいって思ってても、この世界にはお前に生きていて欲しいって


思ってくれている人の方が多いって事も忘れんなよ」って。


あの時、ホントか?


って思ったんだよな。


俄かには信じ難くて。


でも、本当だったな。


お前らが生きてて欲しいって思ってくれてたことが知れたからな。


学園長を捕まえた、あの日。


お前らは、俺に付き合わされて探偵やってたから俺がいなくなった今、


3人は好きな道に進める。


お前らって、得意分野があっただろ?


それを生かして歩んで行けばいい。


俺はそれを見守っとくよ。


最後に一言だけ。


一生懸命生きて、こっちに来いよ。


立花 冷』









少女はこの手紙を託し、3年後にこの世を去る



それは運命だったのか



少女は昔の自分を取り戻す事はなかったが、



結果的には、これが良かったのだろう




さぁ、行け




まだ見ぬ世界へと




END

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作者名:天奏 | 作成日時:2019年3月3日 5時

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