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冷side

手術は2〜3時間で終わり、もう夕焼け空になりかかっていた

看護師からは絶対安静って言われたが、ま、従う義理はねぇよな

「意外と時間かかったな」

この病室には光音と昴輝、それに笙馬がいる

「ん。思ったより深傷だったっぽいな」

俺がちょっと肩を竦めると、3人は苦笑い

その時、プルル・・・と俺のスマホが鳴った

俺は光音に「出ろ」と眼で訴えた

「はい。・・・え?はい。分かりました」

光音がスマホを切り、俺に言った

「この付近でちょと事件が起きたみたいだ。俺達行って来るけど・・・」

光音が心配そうに伺い見る

「行って来い」

「それじゃあ。早めに帰って来るから」

俺は短く返事を返し、3人を見送った

・・・一気に静かになった

やる事がない

暫くして、コンコンと2回ノックが鳴った

「誰だ」

「僕ですよ」

その声を聞いて、緊張が走った

「・・・入れ」

一瞬迷ったが、渋々承諾した

「しっつれいしま〜す」

気取った声を出して入ってきたのは・・・風神学園の学園長

そして・・・俺が仇を取る人物

「あれ?思ったより驚かないんですね」

「驚くも何も、今日仕留めに行く人物がここに現れたんだから、緊張はするだろ」

学園長は不敵な笑みを浮かべただけで、近くにあった椅子に座った

「君、寿命があるんだってね」

どっからその情報を仕入れたんだよ

「そうだが、何か?」

「あんまり意味はないんだけどね。君には死なれちゃ困るんだ」

「大丈夫だよ。変な心配をしなくても。今日行くつもりだし」

「それならいいんだけど」

そう言って話を切り上げようとする学園長に、俺はずっと気になっていた事を聞いた

「なぁ・・・何で俺の親父と付き人を殺した?」

この問いにあまり意味はない

だけど何故か気になっていた

学園長が犯人だと分かったその日から

「ん〜。君を誘拐しようとしたら、勝手に死なれちゃったんだよね」

「そ」

普通はここで怒る所なんだろうけど、俺は何故かそんな事しか思えなかった

「それじゃ、僕は行くよ」

「あ、もう一つ確認。あいつに・・・開成の教師に俺の情報を教えたの、お前だろ?」

「うん。そうだよ」

無邪気に笑う学園長に、なんだか覇気が感じないな〜と思いながら言う

「何で教えたんだ?あいつが俺を殺していたかもしれないのに」

「いや。そんな心配はなかったよ」

その理由を教えずに、学園長は病室を出て行った

「はぁ」

1人になった病室で盛大な溜息を吐いた

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作者名:天奏 | 作成日時:2019年3月3日 5時

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