冷酷少女は秘密を抱える (ページ20)

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紗姫side

私と祐飛、蓮は本家から私達が住んでいる家に帰るところ

真夜様に言われたんだ

「貴方達はそのまま開成に通い続けなさい。それと秀明も。

家も今住んでいる所でいいわ。彩の部屋は明日、片付けにいきます」

私は正直、本家に戻りたかった

彩と過ごした場所にいると、罪悪感で打ちのめされそうで

「「「はぁ」」」

3人同時に溜息を吐く

真夜様に訊いてみたんだ

「彩が探偵をしている理由って分かりますか？」

って

そしたら真夜様が言ったの

「たぶん彩は、お父さんと花衣が故意に殺されたと分かっていたのよ」

故意

「だから彩は探偵をしていたら

その犯人と出くわす機会もあるんじゃないかと思ったみたいよ」

彩、色々考えてるんだなってシミジミと感じたんだ、その時

「でもそのお陰で、彩が感情を取り戻しつつあるのならそれでいいわ。

彩にはちゃんと自分が歩んで行きたい道を進んで行って欲しいのだけど」

「え？真夜さん、彩に後を継いで欲しいって思わないんですか？」

宥翔さんの言葉に、真夜様は言った

「えぇ。前までは後を継いで欲しいって思ってたわ。

だけど、私は彩を傷つけて、彩の行く道を狭めてしまった。

だから彩には自由に進んで欲しいの」

「そうなんですか・・・」

真夜様は宥翔さんと陽斗さんに目を向けて、少し微笑んだ

「2人の事、彩は大事にしているようだから

彩の事よろしく頼むわ」

榎並兄弟は驚いたように、目を丸くするとニカっと笑った

「はい！わかりました！」

「・・・これからどうする？」

秀明に行く途中で祐飛がポツリと呟いた一言に、私は首を傾げた

「どうするって、何を？」

「彩の事だよ」

ピキッ・・・っと、体が凍った

「どうしようもないじゃん。真夜様に忠告されたら」

「・・・そうだけどさ。お前、彩に謝りたいって思わないのかよ」

「そ、そうだけど・・・」

そりゃ、彩に謝りたいよ、謝りたいけど・・・

「どうしようもないよ・・・」

私達はふと秀明の掲示板の所で足を止めた

掲示板に貼られていた一枚の紙を見て、驚いたんだ

「何かお困りの事や、身近に起きた不振な事等あれば

kzのエースストライカー、若武和臣までご依頼下さい」

という張り紙が貼ってあった

私達は顔を見合わせ、同時に叫んだ

「これだ！」