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紗姫side

また、事件・・・

「その時ね、彩の側近として付けていた人がいたの。

名前は花染 花衣(はなぞめ かえ)。

あの子は良くやってくれたわ。

花衣のおかげで彩の心も着実に回復していったの。

でもね、彩はその頃幼稚園でイジメにあっていたらしいのよ」

い、いじめ・・・

私は俯き、唇を噛み締めた

「私はその時自分の事で精一杯で、彩の事に気付いてあげられなかった。

その分彩の側についてあげていたのが花衣だったの。

花衣は彩がイジメにあっている事実を知って、幼稚園に乗り込んだ。

それで彩を転園させて、また新しく彩が過ごせるようにしてくれたわ。

でもね、悲劇はこれで終わらなかったの」

え・・・?

「彩の事をね、どこから漏れたのか立花財閥の令嬢と知った輩が

彩を誘拐しようとしたの。

それを花衣が阻止しようとして、本部に1人でいった。

花衣は私の執事でもピカイチの武術の才の持ち主だった。

だから1人で充分だと思ったのね。

彩を助ける為、敵と乱闘になりたくさんの傷を受けた。

でも、それでも立っていたのよ、花衣は。

彩はね、その姿を見て絶望したそうよ。

だって今にも倒れそうだったんだから。

彩を助けた花衣は、あの子を連れて家に戻ってこようとした。

だけど、その時に彩を襲おうとした連中に刺されたの。

・・・私達が駆けつけた時には、花衣の側に彩がいて

決して花衣の元から離れようとしなかった。

それでね、彩はまたしても大切な人を失ったの」

「で、でも、今の話しを訊くかぎりじゃ

彩が真夜様を嫌う要素なんてないじゃないですか」

私は必死に訴えた

それは真夜様の性ではないと

だけど、真夜様は首を横に振った

「いいえ。彩が私を嫌う要素は充分な程にあるの。

花衣が亡くなった後、私、精神状態が可笑しくなってね。

彩を一時期・・・虐待していた時があったの」

私は信じられなくて、固まっているしかなかった

「それは、少ししてから治ったんだけど・・・。

彩にはそれがとても大きな負担だったみたい。

彩はこれ以上自分の前で、人を、大切な人を死なせたくなかったから

人と関わるのをやめた。

そして、いつの間にかあんな性格になっていたの」

そ、そんな・・・

彩、そんな過去を持っていたのに・・・

「それに、ね・・・

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作者名:天奏 | 作成日時:2019年3月3日 5時

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