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飲みたいお酒があるからと、ジェシーさんのお気に入りだというお店にそのまま手を引かれてやって来たのは、リカーショップではなくてワインバーで、
「ここのスパークリングワイン、美味いんだ」
と笑ったジェシーさんが、『CLOSED』の看板も気にせずにお店のドアを開けた。
「ちょっと待ってて」
とようやく私の手を離して、カウンターの中にいた準備中のスタッフさんと見知ったように言葉を交わしたジェシーさんは、AHAHA！と陽気な笑い声を響かせた後、ワインボトルを手に取った。それから、彼に軽く手を上げると、
「お待たせ」
と戻って来て、すぐさま私の手を取った。
「ジェ、シーさ……」
「そろそろ北斗戻って来る？」
迎えに行こうか？なんて笑うジェシーさんは、そのまま店を出ると駅前から続く通りまで出て、電車から降りてくる人達の中に北斗さんを探しているようだった。
ただ、いくら言っても私の手は、ぎゅっとジェシーさんに握られたまま。
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作者名：ubisi
| 作者ホームページ：https://marshmallow-qa.com/ubisi_0122
作成日時：2022年3月26日 0時
