シンデレラグレイ (ページ9)

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二回目のデート。待ち合わせたカフェを出ると、
空はオレンジ色に傾いていて、流れるようにジェシーが私の手を握った。少し驚いたけれど、もう既にその感触が懐かしいとさえ思い始めている私は、優しく握られた柔らかなジェシーの手を握り返した。ちょっと驚いたみたいに私を見下ろしたジェシーと目が合うと、

「へへ、嬉しい」

と笑ったジェシーが、ペロッと舌先を見せた。それ、ジェシーの癖なんだなぁって気がつくと何だか可愛くて、こんなに背も高くてスマートなジェシーのキュートな一面に、またドキドキしてしまう。

「ん？A？」

　不意に、少し身体を折り曲げたジェシーに顔を覗き込まれて、反射的に仰け反ってしまった私に、

「何？楽しそう」

とジェシーも笑う。もちろん楽しいし、ジェシーはカッコいいし、身体がフワフワしてしまうけど、こういう不意打ちで距離感ゼロになのはやっぱり心臓に良くない。

　このドキドキが、ジェシーに惹かれてるって何よりの証拠だ。

「楽しいよ、ジェシーとのデート」

　開き直ったようにそう言えば、一瞬だけ真顔になったジェシーが、

「HAHAHAHA！いーじゃん、俺も楽しいよ」

と、握る手にギュッと力を込めた。

「ディナーの前にさ、ちょっと行きたいとこある」

　いい？と見下ろされてうんと頷けば、ジェシーの足取りが少し軽くなった。