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「ジェシー、めっちゃ見られてたね」
「ん？そう？」
「やっぱ目立つもん」
「えへへ、妬いた？」
笑ってそう言うジェシーに、
「ほら、痴話喧嘩はいいから、仕上がりどうよ？」
と店員さんはネックレスを私の方へ差し出した。
「だぁー！それはこっち！！」
店員さんの手からネックレスを受け取ったジェシーは、
「A、鏡見てて」
とそう言って私の背後へ回ると、後ろからそっとネックレスを付けてくれた。
「ね、髪ちょっと避けれる？」
そう言われてうなじの辺りの髪を避けると、
「やば、エッロ」
とジェシーがクスリと笑う。
「え、ジェシー！？」
「へへ、こんな感じ。どう？」
まるで、つい漏れた独り言がバレてないみたいに笑ったジェシーが首を少し傾けて、鏡にフレームインしてくる。胸元にキラリと小さく光るスクエアのペンダントトップを持ち上げて裏返すと、彫られた一文字。
「J……」
「そ、『Jesse』のJね」
可愛いね、と私と一緒に小さな鏡に映ろうとするジェシーは、
「俺も、こんな感じ」
どう？とメンズのネックレスを胸元に付けた。
「うん、素敵」
「お揃いだもんね、素敵だよね」
満足そうに胸元を一撫でしたジェシーが店員さんにカードを差し出す。それを受け取った店員さんがレジへ向かったから、
「待っ……て、ジェシー！ジェシーの分は私が……！」
そう言ってジェシーの腕を引っ張ったけど、見た目以上にがっしりしたその腕はビクともしなくて、
「いいよ、今日は俺に払わせて？」
と、ジェシーは腕に絡みついていた私の手をはらりと払った。
「だってジェシー……」
「じゃあ、次はAからのプレゼント楽しみにしてる」
ね？とウインクしてから私の肩を抱き寄せたジェシーは、
「次……ね？」
と私の耳元へ唇を寄せて囁いた。ジェシーの唇が微かに耳に触れて、ヒクッと肩が揺れたのは多分ジェシーの手には伝わっていて、
「お待たせー」
とニコニコ笑顔で現れた店員さんからカードと領収書を受け取ったジェシーは、
「よし、じゃあ行こ！」
と、私の手を握って指を絡ませた。
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作者名：ubisi
| 作者ホームページ：https://marshmallow-qa.com/ubisi_0122
作成日時：2023年6月6日 1時
