一人で泣かないで頼って ページ12
大丈夫、君の世界はいつでも明るい 17歳女子高校生闘病日記-'20/12/8完
2021-04-06
我が娘の親愛なるアイドルへ捧げる
娘が大好きだったアイドルがまたひとつ形を変えることになった。当時から彼氏に呆れられるほど本当に大好きだった。いや、今でもきっと変わらず。
その日はたまたま、娘が亡くなってから開くことのなかったスマホを、眺めていた。病気と闘いながらこのブログを残し続けたスマホには、女子高生らしい友達との自撮りと、病院から見える桜の木の写真が大量に保存されていて。それを印刷しようかと迷っていた、くらいのころ。
一通のメールが届いた。それは彼女が大好きなアイドルグループからの「大切なお知らせ」というタイトルで。見てはいけないものを覗き見をしている気分になり、思わず回りを見まわしたが、我が家にはもう誰もいないことを思い出して淋しくなった。
そのメールには、娘が初めてハマったアイドルが、10人がいた。申し訳ないけれど初めて、彼らを素敵だと思った。なのに、彼らは真剣な面持ちを浮かべ、ごめんなさい、と謝る。それは一人でグループを出て留学していたあるメンバーが脱退することが決定したからだった。
正直言えば、訳がわからなかった。これからは一人で立派な俳優になる、という彼に、グループに残り続けるという手段は無かったのか。グループの中で娘が一番好きだった人が言った。隠しきれていない大粒の涙を隠すように笑って「ほんと、大馬鹿だよなあ」その通りだ。何も知らない私でさえそう思ったのだから、ファンの皆さんだってそう思っていると思う。
それから、数時間たって、泣きこそしなかった彼が、そういうタイプではないと、娘に教えてもらった記憶を思い出していた。
涙を流す演技だったのではないか、と。
でなければ彼はきっと一人で泣く。
なぜかそう確信してこのブログを綴っている。どうか泣かないで。どうか、仲間を頼って。どうか、その華やかで苦しい世界で無くても良い、どうか、どうか、生きていて。
2021-04-06
@17YUI:BLOG
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ニチアサ大好き(プロフ) - このシリーズを応援しています。更新が楽しみです (2021年8月10日 15時) (
レス) id: f2da55ccdf (このIDを非表示/違反報告)
kn(プロフ) - 楽しく読ませて頂いています（＾_＾）これからも応援しています！ (2021年6月23日 1時) (レス) id: 1cf9fa6049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒロイン症候群 | 作成日時：2021年4月18日 18時
