【赤羽業】私は……妖狐

妖31 ページ34

赤羽side

ゆさゆさ身体を揺すぶられる感覚


『＿＿＿＿さい』


サイ?サイがいるの?


『＿＿＿きて＿＿い』


聞き覚えのある声

Aの声だと遅れて理解

ゆっくり目を開くと紅い瞳が入ってく…


「…A､どうやって抜け出したの?」


俺の記憶が正しければ深夜かなりの力を込めてAを抱き締めてた筈なんだけど…

俺の質問にAは瞬きし､『あ､それでしたら』と、


『離して下さいと赤羽様に言っても起きず､離して下さらなかったので赤羽様の腕の筋肉を少々弄らせて頂きました』

「………は?」


どうしよう…Aの言ってる事が全く理解出来ない…

筋肉を弄るってナニ?筋肉って弄れるもんだっけ?え??

グルグル思考を巡らせてた時､Aが『あ…』と手を合わせる


『赤羽様は御顔を洗い着替えてて下さい。その間に私は朝食を＿＿＿＿＿…』


危険警報

俺の頭の中で“これ以上先のAの言葉は危険だ”と何かが騒ぐ


『＿＿＿＿＿朝食を作ってま「うんありがとう!!でも大丈夫!!俺が作るから!!」え?』


絵に描いた様なキョトンとしたAの顔

Aが何か言う前にと脳をフル回転させて言葉を繋ぎ合わせる


「Aに起こして貰った上で朝食作って貰うとか罪悪感が来るから!!Aはゆっくり休んでて!!ね?!」


必死な説得

Aの獣耳がｼｭﾝｯって下がる


『お役に立てませんでしたか…?』


顔色を窺う様訊いて来るA

可愛いし甘やかしてあげたいけど俺も命が欲しいし…

黙ってるのに不安を感じたのかAは哀しそうに『赤羽様も…捨てますか…?』と､

今のAの質問は愚問でしかない


「俺がAを捨てると思う?一応言っとくけど、捨てる気も手放す気もないから」


もしAが放れたいって言ったとしても…ね

Aには悪いけどさ

黒い部分は秘密にして「分かった?」と確認しながらAの頭を撫でるとAの耳が元に戻り………何か…ﾋｮｺﾋｮｺ上下に動く…


『はいっ！あ､ではやはり朝食の方も「アリガトっ!!でも気持ちだけでじゅーぶんっ!!」』

＊

Aを説得し朝食を摂り終えた後

昨日思い付いた事をAに言おうと思い食洗機に食器をセットしてるAを気配を消して後ろから抱き締める


『っ?!?!ぁ…赤羽様…ですか…?ビックリしました…』


安堵の息を吐くAに「ビックリさせてごめんね?」って謝りつつ頭を撫でる



「Aに言っとく事あってさ、1週間後平仮名の確認テストするから」

『はい?』

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