【赤羽業】私は……妖狐

妖30 ページ32

赤羽side

Aが作った晩御飯を残す訳にもいかなく、何度か死の境目を視つつ完食して数時間

俺のベッドの上にはクッションを抱き締め気持ち良さそうに寝てるA

今度抱き枕でも買ってあげよっかな〜何て考えながらペンを動かす


『ﾝｯ…あかばね…さま…?』


ルビー色の目を開き､
幼い口調で俺の名前を呼ぶ彼女

「ごめん。起こしちゃった?」と訊くとAは蒼銀の髪を左右にユルユル揺らす


『隣に赤羽様居なくてちょっと…ビックリしました』

「ホントさぁ…。まぁ良いや。A､此方来て」

『？はい』


小首を傾げベッドから降り此方に来るAへ椅子毎向きを変える


『どうしました?』


小首を傾げてるAの腕を引っ張り膝の上に座らす


「捕まえた」

『赤羽様は何をなさってたのですか?』


唐突なAの質問

「勉強」と返すとAは眉を寄せ


『…お邪魔じゃないでしょうか?』


申し訳なさそうな顔をするAに「全然。寧ろ勉強捗るよ」と返しつつ頭を撫でる


『この文字?は何ですか…?』


Aは頭上に【？】を浮かべながら数学の問題を人差し指でなぞり振り返る

顔ちかっ…

何でもない風に「数式だよ」と返すもAは只小首を傾げるだけ

その姿が愛らしくて、微笑しながら「今度から勉強もしよっか」と言い頭を撫でる


『分かりました。赤羽様は寝ないのですか?お外はもうチョコレートの様に真っ暗ですよ?』

「Aってさ､表現の仕方が一々可愛いよね。もうちょっと勉強してから寝るよ。Aは先に寝てなよ」


少しだけ顎を引き､急に藻掻き始めるA

「何してるの?」って訊けばAは目を瞬かせ『赤羽様が､先に眠る様仰ったので…』と、


「俺から離れてベッドに行こうとしたの?」

『はい』

「ダーメ。Aが離れたら呼んだ意味なくなるでしょ。この体勢で寝て」

『ぇ…ですが､それでは赤羽様に寄り掛かって終うので御勉強の邪魔に……』


最後を濁らせるAに「良いから寝て」と言い抱き締める力を強める

納得してないと云う感じにAは『…赤羽様､御休みなさいませ』って､目を瞑る

うわっ…睫長っ…寝顔可愛い…

Aをガン見してたら聞こえて来た規則正しい寝息

え……寝るの早くね?

試しに付け根を弄ろうにもAの気遣いか､耳と尻尾が無い

代わりに白く細い首をなぞってみてもAは少し身を捩るだけ

その動作さえ愛しくて
Aの頬を撫でる



ハハッ…やっばっ……これかなり重症かも…

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