【赤羽業】私は……妖狐

妖29 ページ31

赤羽side

後ろからAを抱き締め､料理の仕方を見てたら『埃がくっ付いてるみたく動き難いので離れて下さい』と言われ退けて数十分

テーブルの上には
Aが作った夜食


「普通に美味しそっ…。Aのは?」


何でか俺の分しかなく､
斜め後ろに立ってる

Aに訊けば
『私は1廻り前に摂ったばかりなので』と


「1廻り前?」

『はい。樹の刻に。此方では､んっと…､1週間前の…木曜日?』


小首を傾げつつ律儀に
言い直してくれたA



納得

1廻り前ってのは多分1週間前の事で樹の刻は木曜日で…


「つまりAの場合1週間に1回物を食べれば御腹空かないの?」

『はい』


顎を引くAを目にしつつ
椅子に座る



座れば『赤羽様、お1人で食べれますか?』
って心配そうな顔するA


「もし無理だって言ったら?」


「Aが食べさせてくれんの?」と
訊けばAは首を左右に振る


『いえ、スプーン 又はフォークを持って来ます。スプーンとかでなら流石の赤羽様も使えると思いますし』

「Aは俺を何だと思ってるの?」

『ん〜…知識が欠陥してる方…でしょうか?あ、飲物取って来ますね』


笑顔で毒吐いてから
冷蔵庫の方へ行くAに苦笑しつつ

晩御飯を1口


「ｯ…?!?!」


見た目に反した予想外の味



何とか飲み込んで
咳き込む


「なっ…見た目こんな綺麗なのに…………毒物?」


控えめに言って果てしなく美味しくない


『赤羽様?』


ｺﾝｺﾝ 咳き込んでればAが戻って来､『如何しました?』と顔を覗かせる


「ちょっ、A…､水…」

『水?御食事の際は御茶の方が良いですよ?』

「どっちでも良いから…」


不思議そうに首傾げてるAから御茶を受け取り一気に飲み干す


「ｯ…はぁ…」


まだ後味が取れない上に頭痛くなって来た…

ｽﾞｷｽﾞｷ痛む頭を抑えてたら『ぁ…もしかして…』って何か気付いた様な感じの声

ヤバッ…バレた…?


『御野菜､大きすぎて喉に詰まって終いましたか?ごめんなさい…。どの位の大きさに切ったら食べ易いか判らなくて…』


Aが落ち込むと
ｼｭﾝｯと獣耳も下がる

かっ…可愛いけど全然違う…

眉を下げ
落ち込んでるA



取り敢えずヨシヨシ
頭を撫でる


「どん位の大きさが食べ易いか判んないなら今度一緒に料理しよっか」


序でに味…料理全般を

ｺｸﾘ Aが頷いたのを確認してからゆっくりテーブルに残ってる御飯に視線を移す



で、この晩御飯(殺人兵器)等どうしよ…

妖30→←妖28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す