終電何してますか？眠ってますか？辞めさせてもらっていいですか？ (ページ21)

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徹夜一二日目ページ21

どうも、北原A20歳社畜です。
今日も健全に2時まわってるよ(？)
僕以外の探偵社の人に回ってる仕事量、可笑しいよ。少なすぎるよ。
幾ら愚痴を言ったって変わらない現実に、何度呆れたことか。
ふと、本日何回目か分からない重い溜息をつく。
キーボードに向けて、高速で動かしてた手をパッと離した。

『もう、今日はエナドリに頼んないとな…』

買い占めておいた電源マークの書いてあるエナドリから、好きなピンクを取った。
勢い良く缶を開け、口に思いっきり流し込んだ。
一寸ピリッとする炭酸が舌を駆け抜ける。
此れでこそ社畜だ。
謎の達成感に満足しながら、僕は又仕事に取り掛かるのだった。

＊
朝日がカーテンから差し込んできた頃。

『や”っどお”わ”っだ…』

僕は情けない程疲れ切っていた。
机に突っ伏し、何となく前の席を見る。
僕の前の席＿太宰さんの席は相変わらずぐちゃぐちゃだ。
それに比べ、国木田さんの席は綺麗すぎて怖いほどだ。
いつも使っている机なのに、何時もあの状態だよな？どういうことなんだ？
かくいう僕も太宰さん並ではないが、机は汚い。
資料が多く、エッフェル塔を目指せるくらいに積み上がっているのが問題ではあるのだが。

『お昼買ってこないと…』

残りの体力を振り絞って、探偵社の窓を開ける。
早朝の気持ち良い風が銀髪を靡かせる。
僕は小さく欠伸をしながら窓の枠に手足を掛け、淡い蒼の街に飛び出していった。

＊
『こんにちはスバルさん…』
スバル「いらっしゃい、Aちゃん！」

何時ものお弁当屋に顔を出す。
朝6時からやっているブラック企業に優しいお弁当屋だ。
美味しいのは勿論、スバルさんの明るさが本当に沁みる。
愚痴でも自慢でも何でも聞いてくれるため、おばさんに話に来るついでにお弁当を買っていくのだ。
僕は五目御飯と鮭のおにぎりを適当に掴んで会計をする。

スバル「もう、此れじゃお腹空くわよ！ほら、此れも持っていきなさい！」

そう言ってサービスで惣菜をくれるのも、此処に来る理由の一つだ。
有難うございます〜、なんて適当に頭を下げる。

『で、昨日も大変だったんですよ〜』

お客さんが未だ来ないこの時間が僕の至福の一時だ。
中也の事も、乱歩さんの事も、ナオミ少女の事も何でも話す。

『もう、今回太宰さんが居なくてピンチだったんですからね！』

思わず笑いながら文句の様に言う。
すると、スバルさんは少し驚いたような顔をした。

スバル「Aちゃん、笑うようになったわよね」