終電何してますか？眠ってますか？辞めさせてもらっていいですか？ (ページ19)

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10000hit記念番外編「突然のスカウトⅣ」ページ19

中也side

「永遠には暫くグッド・バイ
　この浮世を…楽しもうか」

「「有難う！/ありがとな！」」

最後の一曲を歌い終わった俺達に、拍手の嵐が包み込んだ。
人が溢れかえった観客席に手を振りながら、舞台の袖に歩いていく。

蘇峰「君達良かったよ！！今迄こんなに大勢の観客が集まったのは、見たことがない！」

Pからも絶賛のようで。
実際俺も其処までの人数が集まるとは、思っても居なかった。せいぜい、半分くらい埋まるかどうかだと。
今更だが、マフィアの仕事に支障は出ねぇよな？
部下が色紙持って寄ってくる図が思い浮かぶんだが。←フラグ

太宰「あー、疲れた！多くの女性を心中に誘ったけど、流石にファンサまではしてこなかったからな〜」

青鯖は呑気に欠伸をしながら自慢のように言った。
つーか、普通にファンサしてるだろ。顔面が良いやつに心中誘われて昇天するやつしか居ねぇだろ。
心のなかでツッコミを入れつつ、太宰に話しかける。

中也「そういや、Aのライブ未だ間に合うよな？」
太宰「嗚呼行こうか！一応、変装しといたほうが良いよね！！」

糞鯖はノリノリで眼鏡と黒いコートを羽織った。
そして、パーカーとキャップを押し付けてきた。

中也「はぁ！？此処までする必要ねぇだろ？」
太宰「はぁ…中也、わたしたちのライブに来てた人数ちゃんと見て言ってる？」

確かに初ライブだった割には人が多かった気がする。
態とらしく大きなため息をつく糞太宰にイラッときながら、渋々パーカーとキャップをつけた。

＊＊＊
俺たちがAのライブハウスに行くと、既に人が溢れかえっていた。
最初からこんな人数集まってんのかよ。凄い通り越して引くぞ？この量は。
そう思っていた矢先。

パパッ

急にライトが付き、音楽が流れる。
舞台袖から、コツコツと靴特有の音が聞こえてきた。
そちらに顔を向ける。
銀河のような髪、見間違う程の美しいかんばせ、スラッとした手足。
＿＿そして、宝石のような綺麗な碧眼。
何処となく、其の容姿はムーンストーンを連想させた。

『皆〜！こんにちは、しろです！わぁ、こんなに多くの人が来てくれてる！初ライブなのに有難う♡』

喋りだしたしろ＿＿＿いや、Aは、いつもとは違う、然し美しい雰囲気で。
其の瞬間から、俺はアイドル・しろの虜になってしまったのだ。

＿＿＿
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