終電何してますか？眠ってますか？辞めさせてもらっていいですか？ (ページ18)

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10000hit記念番外編「突然のスカウトⅢ」ページ18

部屋の中に二人の怒声が響き渡る。

「「何でこんな奴と一緒に組まなきゃいけない！？」」

あのー、何か似た台詞どっかで聞いたんですけどもー。
精神年齢が下がってる気がするんですけどー。

蘇峰「いやー、しゃちょーが決めたことだからね〜俺には変えられないよ」

いや、薄情。其れで良いのか、スカウトマン。
心のなかでツッコミを入れていると、いつの間にか話が進んで、なんというグループ名にするかを話し合っていた。

『グループ名、青鯖と蛞蝓で良いんじゃないですか？』
「「何でそうなった！？」」

其れでいいじゃん！二人のあだ名だし！お気に入りなんでしょ！
はっ、もしかして、包帯無駄遣い装置と帽子置き場が良かったとか！？((
結局、グループ名は「BLACK STARS」に決まったらしい。
…解せぬ。
因みに僕の芸名は「しろ」だよ！髪の毛の色からだって！
此れ、銀髪だけどね！！((

？？「一寸、兄貴。新人をそうやっていじるんじゃないよ」

振り向くと、其処には深紅の瞳が目立つ綺麗な女性が居た。
其の人は、蘇峰さんの妹さんの蘆花さんと言うらしい。
太宰さんは蘆花さんをターゲットに決めたのか、心中に誘っていた。
案の定、平手打ちをくらっていました。痛そ。
パンクした太宰さんを絶対零度の視線で見つめていた蘆花さんは、ふと此方にとびきりの笑顔を向けた。

蘆花「改めて、貴方のマネージャーを担当する徳冨蘆花です。よろしくね！」

うへへ、笑顔が眩しいよ。僕、ずっと此処に居たい。
そう思ってしまった今日此の頃でした。

蘇峰「一週間後に楽曲が出来るっぽいから、又ここに来てね〜」

僕たちは、二人に手を振って帰っていったのでした。まる。

＊＊＊
一ヶ月後。
あれから僕らは、歌の練習や振り付け等を毎日みっちりしごか…いや、練習した。
今日は、かの有名なアイドルフェスだ。
僕が出るステージは、新人アイドルが出る過酷なステージなのだそうだ。
二人はもう一つ上のランクのステージらしい。
此処の主催者の人が二人を見て、気絶したんだって。ずるいよね。
舞台裏で蘆花さんと話していた。

蘆花「大丈夫？振り付けも歌詞もちゃんと覚えてるよね！？ライブ後の握手会の対応もＯＫ？」
『あはは、蘆花さんは心配しすぎですって〜』
蘆花「そういうところが不安なのよ！！」

因みに演技中である。
嘘の性格でないと危ないこともこの業界ではあるらしい。

「しろさん出番でーす」
『はーい！』

僕は未だ見知らぬステージに一歩踏み出した。