マスク＿11 ページ13
何が、とはいかないが酷く億劫だった。
普段は感じない筈の苛立ちを感じ、思わず舌打ちを零す。普段なら此処で意識的に止めているのだが今はどうも止める気になれない。
「＿気分転換、気分転換しないと、」
兎に角誰かに会うまでにどうにかはしておきたい。ぶんぶんと乱雑に頭を横に振ってから今日の授業は全部サボるかなんて考えてから、さてどこに行こうかと辺りを見渡した。午前9時と言うだけあっても皆授業なのか人通りはやはり少ない。
…あぁ、そういえばモストロ・ラウンジの合鍵を貰っていたんだっけ。
ふと、思い出しポケットを探る。チャリと鉄の擦れ合う音と共に青い装飾品の付いた鍵を取り出した。これは、ちょうどいいかもしれない。あそこなら、邪魔も来ないだろうから。踵を返す、身体を向ける、足を踏み出す。
その踏み出す一歩さえ億劫だなんて、きっと重症だ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
＿＿
昔から海が嫌いだった。
他者からすればざさんと鳴る潮の音は此方を誑かす呪いの声の様に聞こえ、他者からすれば綺麗だと思う海の水も自分からすれば只只恐怖の対象でしか無かった。荒れ狂う海なんて尚更。だと言うのに、此処に来るのを忌避しなくなったのはいつからだろう？
海を怖くないと感じ始めたのはいつからだったろう？
否、そもそも自分は何故海があんなにも怖かったのだろう？
「＿＿＿＿＿ん」
「＿＿＿Aさん」
ぱちりと目を覚ます。視界に移るのは端正な顔立ちをしているアズールだった。驚きの余り目を見開き固まる。
「＿おはようございます。随分とぐっすりでしたね」
「…あぁ、みたいだな」
どうやら寝てしまっていたらしい。モストロ・ラウンジのソファ(敵)の前で寝てしまうということは相当疲れていたんだろう。声を掛けてくるアズールに一通り事情を説明していきながらはたと思考を止める。一体自分は先程まで何を見ていたんだろう。いい夢ではなかったのかもしれないけれど。夢の内容を思い出そうとするも、煙を掴むようにその実体は宙へと消えていった。
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シオン(プロフ) - とても素敵な作品に出会ってしまった...あと、最初のお話で[ハウスダスト]が[マウスダスト]になっていますよ(コソッ)更新頑張ってください！ (2020年7月12日 23時) (
レス) id: e51e55df58 (このIDを非表示/違反報告)
城田(プロフ) - Charlesさん» いえいえ！！更新楽しみにしてます！ (2020年6月14日 13時) (レス) id: e7636d31bd (このIDを非表示/違反報告)
Charles(プロフ) - ましかくもちさん» わぁい、ありがとうございます〜 (2020年6月13日 21時) (レス) id: 148a61864e (このIDを非表示/違反報告)
Charles(プロフ) - 城田さん» 態々ありがとうございます！直させて頂きました！ (2020年6月13日 21時) (レス) id: 148a61864e (このIDを非表示/違反報告)
ましかくもち - これはいい作品を見つけた、、！！期待しています、更新頑張ってください (2020年6月13日 16時) (レス) id: 2ee85ee09c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風紀いいんちょー | 作成日時：2020年6月13日 12時
