重力遣いの新相棒【文豪ストレイドッグス】

メッセージ ページ49

〜敦side〜



僕たちは帰っていくAさんの後ろ姿を見ながら彼女について話す。




「嵐みたいな人でしたね…」


「ええ、でもすごく良い人でしたよ！僕が牛の話をすると、今度育ててみたいって言ってくれましたし！」


「賢治の言う通りだね。この僕が推理のことで大盛り上がり出来たよ」


「あの子、酒も強かったしねェ。まあ医者としては未成年の飲酒を見過ごすわけにはいかなかったけど、つい楽しんでしまったよ」




みんなが思い思いのことを言う。

その言葉の中には、彼女を悪く言うものは何一つなかった。




「また今度会いたいな…」



僕がそっと呟くと、みんなも笑顔で同意してくれた。









そしてその次の日。

昨日と同じように平和なスタートではなかった。






「おい、朝刊見たか！」


「ニュースでもやってるよ」






朝からなぜこんなに騒がしいかというと。





マフィアの事務所として使われていた七階建てのビルが一夜にして消えたからだ。






「ギルドの仕業、ですよね？」


僕は太宰さんに聞く。




「だろうね」


「昨日ギルドの団長が言っていた、『メッセージ』とはこれか」


「やはり寮にも賢治君はいません」



賢治君はどうやら、湯豆腐屋から家に帰る途中で敵の襲撃にあったようだ。




「逆らう探偵社も用済みのマフィアも、すべて消す、か」


「谷崎、これ以上単独で動くな、敦と組んで賢治を探せ！太宰は俺と会議室に来い、社長会議だ。敵と接触しても、戦わず逃げろ！」






探偵社全体が一気に緊張した空気になった。







そういうわけで、僕と谷崎さんとナオミさんは国木田さんに言われた通り、賢治君を探しに外へ出た。









作者より)原作では、賢治君はギルドの人(モンゴメリ)にエレベーターの中で襲撃されましたが、この作品では湯豆腐屋に行った後でさらわれたことにしています。

あと次は一気に鷗外シーン直前まで飛びます、つまりモンゴメリとの対決を飛ばします。モンゴメリ好きな方、ごめんなさい(/ _ ; )

次からは、中也sideに戻ります！

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