望み ページ39
〜中也side〜
「……望みは何だよ」
「さっき言ったよ」
「人虎がどうとかの話なら、芥川が仕切ってた。奴は二階の通信保管所に記録を残してる筈だ」
「あ、そう。予想はついてたけど」
「てッ……」
分かってたなら聞くなよ！！と言いたくなるのを何とか我慢する。
「……用を済ませて消えろ。行くぞ、A」
「りょーかい。散々だったねー中也」
「……」
俺は黙ってこいつの頭にゲンコツを落とす。
「いってぇ！？」
「あはは、君たちは仲が良いねえ。あ、あと中也、ひとつ訂正。今の私は美女と心中が夢なので君に蹴り殺されても毛ほども嬉しくない。悪いね。というわけでA、一緒に毒でも煽らないかい？」
「うーん、いくら太宰の頼みと言えど、ちょっとお断りかな、あはは」
「そうか、残念」
…心中の誘いに対して、『あはは』と普通に笑えるAの神経の図太さに俺は少し感動する。
「はぁ……ったく、じゃあ今度心中に付き合ってくれそうな美女を探しといてやるよ」
「中也……君は実は良い人だったのかい？」
「早く死ねって意味だよバカヤロウ」
「あははー」
…ほんっと太宰とは付き合ってらンねえ。
まあAもAだけどな。
俺はAと階段を上る。
その途中で後ろを振り返って太宰に言う。
「言っておくがな太宰、これで終わると思うなよ」
「うわ、怖ーい中也。まあでも……これ以上変なこと仕掛けないでね。ま、仕掛けても私が全部見つけちゃうけど。もしまた面倒事増やしたら……今度こそ太宰の計画、ぜーんぶぶち壊しにするよ？」
Aはニッコリ笑う。
だがこいつの目は笑っていなかった。
「…あんまり私を怒らせないでね」
「…うふふ、善処するよ」
「そっか！まあいいや！それじゃねー太宰！！！」
「太宰、二度目はねえぞ」
「違う違う、何か忘れてない？」
ぐっ……
そういえば、あの予言……
くっそやろう…！！
いつかこいつ、絶対俺の手で殺す！！！！
「二度目はなくってよ！」
俺はさっきの太宰の予言通りお嬢様口調で叫ぶ。
後ろで太宰が大笑いしている。
俺のとなりでAも大笑いしている。
「お前は笑うな、A！行くぞ！！」
「あははは、りょーかい！」
俺は最悪な捨てゼリフを吐いて、獄舎から出た。
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ユイ(プロフ) - konohaさん» konohaさん、もう見てくださったのですね！ありがとうございます！紅葉姐さんの口調、難しいです(ｰ ｰ;)これからも頑張りますので、よろしくお願いします！ (2016年3月9日 14時) (
レス) id: c73290e85b (このIDを非表示/違反報告)
konoha(プロフ) - ユイさん» 参加して下さりありがとうございます!早速見に来ました〜!まだ途中までしか見ていませんが、紅葉さんの口調がとてもいいですね!これからも更新頑張って下さい!続き楽しみにしています! (2016年3月9日 13時) (レス) id: d306aa4c78 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 吹雪始音@色松さん» 鈴ちゃん、読んでくれたんだ！ありがとうございます！そんなに褒めてもらえるなんて…！！紅葉姐さんの口調、難しいです、今研究中(⌒-⌒; )これからも頑張って更新しますね、始音ちゃんも頑張ってね( ´ ▽ ` )ﾉ (2016年2月24日 2時) (レス) id: c73290e85b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪始音@色松(プロフ) - ユイさん、どうも！
読ませて頂きました、鈴こと始音です(｀・ω・)
夢主ちゃんのキャラ可愛いですね！そして紅葉姐さんの口調とか上手くて羨ましい限りです(笑)
これからも頑張って下さいねっ♪ (2016年2月22日 22時) (携帯から) (レス) id: 6e22eac2fd (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 山ノ内さん» わあ！わざわざコメントまでありがとうございます！！頑張って更新します！山ノ内さんの作品も続き楽しみにしています！ (2016年2月10日 23時) (レス) id: c73290e85b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユイ | 作成日時：2016年2月2日 0時
