嫌がらせ ページ38
〜中也side〜
Aは手紙のことを前から知っていたのだろうか。
いや、そんなはずはない。
それだったら俺や紅葉の姐さんとかに言うはずだ。
まあ今はそれはどうでもいい。
問題は太宰が俺らの知らぬ間にマフィア上層部を脅迫していた、ということだ。
これが本当なら……かなりヤバい。
だがマフィアがこの程度で……
「そんな脅しに日和るほどマフィアは温くねえ、手前は死ぬ」
「だろうね、けどそれは幹部会の決定事項だ。決定より前に私を勝手に私刑にかけたら独断行動で背信問題になる。罷免か、最悪処刑だ」
「そして……俺が諸々のしがらみを振り切って、なりふり構わず手前を殺したとしても……手前は死ねて喜ぶだけ?」
俺がそう言うと、太宰はにっこり笑った。
「ってことで、やりたきゃどうぞ」
うっ……
くそ、腹立つ……
「ほら、早く」
…くそやろう。
「まーだーかーなー?」
太宰が挑発するように言ってくる。
ほんとにムカつく野郎だ、今すぐ殺してえ。
だが……それは………
カラン
俺はナイフを手放した。
「何だやめるの?『私のせいで組織を追われる中也』ってのも素敵だったのに」
「くそ……」
本当につくづく嫌な奴だ。
…って待てよ。
奴は最初、『一番の目的』といった。
ということは……
「真逆……ってことは二番目の目的は俺に今の最悪な選択をさせること?」
「そゆこと」
「俺が嫌がらせをしに来たんじゃなく……実は手前こそが嫌がらせをする為に俺を待ってたって事か?」
「久しぶりの再会なんだ。このくらいのサプライズは当然だよ」
気分がずうんと落ち込む。
「死なす……絶対こいつ死なす……」
「あっははー、中也が珍しく沈没してるー」
「もうお前も黙ってろ……」
「…うん、突っ込む元気もないんだね」
「ははは、でも倒れる前にもうひと仕事た、中也。鎖を壊したのは君だ、私がこのまま逃げたら、君が逃亡幇助の疑いをかけられるよ?」
げっ……そうだった…
「君が言うことを聞くなら探偵社の誰かが助けに来た風に偽装してもいい」
「……それを信じろってのか」
「私はこういう取引では嘘をつかない。知ってると思うけど」
「手前っ……」
……はぁ。
もうどうにでもなれ。
そういう気持ちが沸き起こってきた。
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ユイ(プロフ) - konohaさん» konohaさん、もう見てくださったのですね!ありがとうございます!紅葉姐さんの口調、難しいです(ー ー;)これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2016年3月9日 14時) (レス) id: c73290e85b (このIDを非表示/違反報告)
konoha(プロフ) - ユイさん» 参加して下さりありがとうございます!早速見に来ました〜!まだ途中までしか見ていませんが、紅葉さんの口調がとてもいいですね!これからも更新頑張って下さい!続き楽しみにしています! (2016年3月9日 13時) (レス) id: d306aa4c78 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 吹雪始音@色松さん» 鈴ちゃん、読んでくれたんだ!ありがとうございます!そんなに褒めてもらえるなんて…!!紅葉姐さんの口調、難しいです、今研究中(⌒-⌒; )これからも頑張って更新しますね、始音ちゃんも頑張ってね( ´ ▽ ` )ノ (2016年2月24日 2時) (レス) id: c73290e85b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪始音@色松(プロフ) - ユイさん、どうも!
読ませて頂きました、鈴こと始音です(`・ω・)
夢主ちゃんのキャラ可愛いですね!そして紅葉姐さんの口調とか上手くて羨ましい限りです(笑)
これからも頑張って下さいねっ♪ (2016年2月22日 22時) (携帯から) (レス) id: 6e22eac2fd (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 山ノ内さん» わあ!わざわざコメントまでありがとうございます!!頑張って更新します!山ノ内さんの作品も続き楽しみにしています! (2016年2月10日 23時) (レス) id: c73290e85b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユイ | 作成日時:2016年2月2日 0時