重力遣いの新相棒【文豪ストレイドッグス】

訓練 ページ22

〜中也side〜



翌日。


俺とAはいつも通りの時刻に事務所に着いた。




「今日一日は、昨日の資金横流し組織の下っ端共の片付けだね。まあ部下たちがやってくれるけど」


「ああ、だから今日は大した仕事はねえな」


「そだねー」


「とはいえ、書類は毎日ある。だからお前も自分の分片付けろ」


「嫌だ」


「即答するな！！やれ！！」


「嫌だ！！」


「…書類終わらせないと、訓練付き合わないぞ」


「…やります」


「ったく、最初から素直にやれ」


「はーい」



そう言って、Aは渋々と書類を進める。

それを横目で確認しながら、俺も自分の分の書類に目を通していく。




その作業をすること、30分。

俺もAも書類を全部片付けた。

そして嫌がるAを半ば連行するかのように、首領の部屋まで連れて行く。

案の定、首領のロリコンっぷりが炸裂し、部屋を出た時にはAはもはや放心状態だった。




「もうだめだ…」


「…まあ気持ちは分かるつもりだ」


「うん…ありがと…」



あれだけ普段うるさいAをここまで沈没させることができるのは、ある意味すごいと思う。

色んな意味で、首領を尊敬する。





「まあラッキーなことに、今日はこれ以外ほとんど仕事がねえ。昨日言ってた訓練、付き合ってやるよ」


「ほんと！？ありがとう！！」


「変わり身はえーな、おい」


「だって、鷗外のせいで溜まったストレスを発散できるんだから！」


「そうだな。じゃあ行くか」


「うん！」




俺とAは顔を見合わせてニッと笑うと、訓練用の部屋に向かう。






「何度も言うが、手加減しねーからな」


「分かってるよ」


そう言うと、俺の動きを警戒するように、Aの目がスッと細められる。

これはこいつの戦闘モードの時の目だ。



たとえ昨日の戦いのような、弱い相手が敵の時でもこいつは常に相手を警戒する。

だからこいつは強いのだ。





「…来い」


俺がそう言うと、Aは俺に踊りかかってきた。

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