彼女が僕に振り向かない！

決定事項 ページ15

そして社で名前の総選挙が行われた。

無論僕もやったが僕の名前は採用されなかった。

割と自信あったんだけれどね。僕はあの女狐に嫌われているらしい。

さて、名前なのだけれどとある女性事務員の考えた名前が気に入ったようで。

其の社員が提案した名前は瑞祇というもので、めでたいとか、土地神を表すような名前だった。

成程、その考え方はなかった。今までずっとAを縛っていたものと考えていたからだ。よくよく考えてみれば、神社で言伝をするのだから土地神であっても可笑しくない。


『貴方の名前は＿＿＿＿瑞祇』


其の名前を口にした途端、狐＿瑞祇＿は嬉しそうに頭を持ち上げた。

毛並みは緩やかに波打っている。

心成しか嬉しそうな表情のAを見て、矢張り彼女は、瑞祇を嫌いたくなかったのだと改めて理解する。

鏡花ちゃんでいう、夜叉白雪のようだね。まあAの場合は異能力ではないのだけれど。




瑞祇の能力は未知数だ。両親を食い殺した獣。だがそれ以外に何かあるはず。異能でないのなら力は一つとは限らないし、彼女の生まれが神社ということから、少しばかりは信仰や力があるのだろう。

其れが食い殺すだけじゃ、ただの機嫌を損ねた猛獣と同じじゃないか。

何時か聞きだす必要がある。若しくはその前に僕が気付く必要が。

……まあ最も、瑞祇は気分屋のようだし、僕を嫌っているらしいけどね…


『瑞祇、あんまり乱歩に意地悪しちゃ駄目よ』

《Aが彼奴にばかり構うからじゃろうに。もっと我に構え》

『意外と甘えんぼなのね』



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はい、またまたお知らせですし更新放置してすいません

学業の方が本格的に忙しくなり、受験も相まって更新頻度落ちます。すみません。

其れでもこの作品をちょくちょく更新していくので、応援していただければ幸いです。

最後に、瑞祇の名前を考案してくださった操咲作乃様！

本当にありがとうございました！！！！

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