404ともう一人 (２)【MIU404】 (ページ41)

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(志摩 side)

｢Aの、お姉さんについて｣

｢…お姉さん？｣

｢…、｣

　隊長が俺たち二人に真剣な目で言う。…俺もAに姉がいたのは知っているが。

｢Aちゃんにお姉さんがいるの？｣

｢ああ。年の離れたお姉さんがいた(･･)｣

｢…いた？｣

｢Aのお姉さんはね、もう亡くなってるの｣

　俺はお姉さんがもう亡くなってるのは知っていたが、伊吹は初耳だ。だが桔梗さんは何故、今その話を話すのか。

｢Aと私は、お姉さんはエトリに殺されたと見てる｣

｢え、｣

｢名前は水野美咲(みさき)。遺体が発見されたのは三年前で、発見された場所はスクラップ置き場。

彼女も、羽野麦と同じように情報提供者になろうとしていた。だけどそのことがエトリにバレてしまい、情報を羽野麦に託してた。これは羽野麦から聞いたこと。

彼女がエトリと繋がっていることはAも知らなくて、遺体が発見された当初は犯人に繋がる証拠が何も無かったの。

でも羽野麦の情報提供や捜査を続けていくうちに、エトリが彼女を殺したんじゃないかって疑い始めた。

私がAに会ったのは羽野麦が情報提供を警察にした頃。…いつか言わないといけないねって二人で話してたんだけど。

因みに陣馬さんもこのことは知ってる。陣馬さんもAを本当の娘みたいに接してくれてて｣

　話を聞くと両親も既に他界しているらしい。そこから姉妹で頑張って生きてきて、自分の支えになっていた姉さえも失って。彼女の壮絶な人生の話を初めて聞いた。一人で抱え込んでたんだな…。

｢だから、今回の件でAが無理をするかもしれない。…そのときは、二人に頼んでもいい？

　貴方たちだから頼んでる｣

｢っ任せて、隊長｣

｢Aのことは俺たちが守ります｣

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