それは突然 ページ40
気がつけばあっという間に空は藍色に染まっていた。
時計を見れば既に9時を過ぎている。
楽しい時間は本当に短く感じるの何でだろ。
『明日も部活あるもんね、大丈夫かなぁ…』
「え、むっちゃん北さんから聞いとらんの?」
『え?』
治くんが首を傾げながらスマホを私に見せつける。
『明日の部活、体育館の点検が延びたから…休み??』
「その反応やと昨日LINE見てなかったん?」
『昨日は…言われてみれば見てなかったかも。』
「サムタイミング良かったな。」
「でもそろそろ帰らないと明日死んでそう。」
『っはぁぁ〜楽しかったなぁ。』
今日は結構素敵な思い出になったかも。
.
帰りの電車は朝よりも空いていて、座れた。
双子と銀島くんはすやすやと寝ている。あ、侑くん涎垂れてる。
『今日は楽しかったね〜!』
「うん、A楽しそうだったし良かった。」
倫太郎くんが軽くふわっと微笑むと、また心臓がどくんと跳ねる。
うすうす気づいてはいたけど、完全にこれは恋だと思ってしまったここ最近。
正直そろそろ告白するべきなのかとも昨日考えていた。というか昨日はそのことしか考えてなくてスマホどころじゃなかった。←
でもやっぱり怖い。
最初は傍から見たらタダのファンの1人だったのに、気がつけばマネージャーになってて…これはあまりにも恵まれすぎと自分でも思っている。
ましてや倫太郎くんとこんなにお話出来るなんてつい何ヶ月か前は絶対ないと思ってたのに。
流石にこれ以上わがままになるのは絶対良くない…
って、だめだめ…急にマイナス思考に走るのは私の悪い癖。
でもやっぱり気になってしまう。
最大限の勇気を持って、私は倫太郎くんに聞いた。
今度はちゃんとはっきりと。
聞かなければ良かったなんて後悔するとも知らずに。
『り、倫太郎くんは…好きな人っていたりする?』
「え?」
『あっ!いや、その…何となく?いるのかな〜って思って…』
すると倫太郎くんは、顔を赤くして私から視線を逸らす。
……あ、
「いるよ。ずっと前から、きっと向こうは自覚してないんだろうけど。」
そう言って寂しそうに笑う彼に、私は胸が一気にドロっとなった。
『そっ、か。』
「Aは?」
『え?』
「Aはいないの?」
ダメ元でもちゃんと言えばよかった。
倫太郎くんがずっと前から大好きだったって。
『うーん、いない、か、なぁ。』
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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳߹ ) (11月15日 7時) (レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω`*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい!讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です!続きがすごく楽しみです!!応援してます!! (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にろ | 作成日時:2020年3月11日 10時