＿私は希望を捨てた

涙の数の友情　byありす ページ16

優梨side




優梨「希望(のぞみ)……………………。死、死んじゃった？」


おそるおそる彼女の顔を覗き混む。


死んだ人の顔って見たことないけどちょっと怖かったから、そーっと見てみた。





でも、そんな心配いらなかったみたい。


希望(のぞみ)はびっくりするくらい気持ち良さそうに永遠の眠りについている。


ああ、希望(のぞみ)は人生をやりきったんだな。


そうだ、私たちは笑顔でいないと。


私たちの大好きな希望(のぞみ)が悲しむ。


そう思って泣いている玲に向かって言った。


優梨「玲、何泣いてるの。天国の、希望(のぞみ)が悲しむよ。」


そういうと、玲から意外な答えが返ってきた。


玲「そ、そうだけどな。おまえも泣いてるじゃんかよ…………。」


優梨「えっ………………。」


その時、気づいた。


私の頬を流れる涙に。


やっぱり、自分の気持ちは止められないな。


悲しい、悲しいよ。


もっと希望(のぞみ)と話したかった。


もっと希望(のぞみ)の笑顔が見たかった。


もっと希望(のぞみ)にいろいろ教えてあげたかった。


もっと、もっと……！


でも、ダメだよね。


私が泣いてちゃ。


最後くらい希望(のぞみ)の願い叶えてあげなきゃ。

私は溢れて止まらない涙を流したまま、明るく笑った。


優梨「おつかれ、希望(のぞみ)。
今までごめんね。そしてありがとう。私の大切な希望(のぞみ)！」


その瞬間、無意識にわぁっと溢れ出てくる涙に思わず顔を押さえてしゃがみこむ。


希望(のぞみ)が死んじゃうのは覚悟してたのに。


泣かないって決めてたのに。


いざとなると止めたくても止まらない。


隣で玲も泣いている。


気持ち良さそうに眠る希望(のぞみ)をいつまでも見続けながら。


玲「きっと、天国で希望(のぞみ)が笑ってるよ。」


優梨「うん、そうだよね。今日は帰りに希望(のぞみ)が交通事故に遭う前日に三人で食べたアイスクリームでも食べよう。」


玲「そうだな。希望(のぞみ)もきっと隣で食べてる。」


そうだよ。


希望(のぞみ)はいつでも私たちの近くにいる。


そう信じてもいいよね？


いつだって私たちの味方になってくれるよね？


私たちもずーっと味方だよ。


たとえ見えなくても、いつでも仲間だから。


これからもよろしくね。


“私たちの親友”。


ようやく、涙を拭いて立ち上がった。

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