私の未来は彩らない

精一杯のSOS　　byクッキーベル ページ37

今は看護師さんに付き合ってもらって、病院内に併設されてるコンビニにノートが入るサイズの封筒と切手を買いに行こうとしてる。


さっきナースコールを押して看護師さんに、コンビニに行きたいので一緒について来てください、ってお願いしたんだ。


そしたら、笑顔でいいよ、って言ってくれた。

それから、いつも使ってるカバンの中にお財布を入れ、ノートも持って、一応マスクをして病室の外に出る。


病棟の長い廊下を抜けて、エレベーターに乗ってコンビニがある1階まで降りたの。


それから、コンビニの文房具コーナーに向かって、ノートが少し余裕を持って入るサイズの封筒を手に取る。

これがいいかな。
そう思って封筒を手に取り、レジに並ぼうと思ったんだけど…、

ついお菓子コーナーに立ち寄ってしまったんだ。


最近あまり甘いものを食べてなかったから、少し視界にお菓子が入った時、なぜか無性に恋しくなっちゃったんだよね。


いくつか、お菓子も手に取って今度こそ、レジに並んでお会計をする。

ちゃんと、レジでは切手もください、って言ったから…、多分書い忘れはないはず。


私の現在の所持金が15000円だから、これくらいの値段のものは普通に買えてよかった、と安心しテキパキと買い物を終え、病室に早めに戻る。

あまり外にいすぎると、体力がものすごく衰えてるから疲れちゃうんだよね。


最後まで付き添ってくれた看護師さんにお礼を言ってナースステーションに戻ってもらおうとしたんだけど、

「ちゃんと彩ちゃんが郵便物出せるまで私見守りたい！」


と希望してくれたから、ポストに出しにいくところまで付き添ってもらえることになったの。


それから、封筒に私の自宅の住所と自分の名前を書き、若武の住所と名前を封筒にサインペンで書いていく。

自然とみんなの顔が浮かんできて、頬が緩んでいると、看護師さんに


「ねぇねぇ、この人って彩ちゃんの彼氏？」

こう言われて、私は少しドキッとした。


そっか、側からみると私が男の子に郵便を出そうとしてると、彼氏彼女の関係に見えたりするんだな。

そう実感する。


「彼氏、ではないんですけど、すごく大切な人です。
彼に、恋心とか言うのは一切ないんですけどね(笑)」


「そうなの？でも、大切な人、ってことは彩ちゃんの人生の中で結構大事なポジションにいたってことは確かなのね。」


確かに、KZのみんなは私の人生の中で最重要なポジションに全員いたんだなぁ、としみじみ感じた。

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