私の未来は彩らない

最後を噛み締めて　byクッキーベル＆あき ページ11

今気づいたけれど、今日はたくさんの最後がある。



学校最後。
制服着るの最後。
KZのみんなと会えるのも最後。




他にもまだまだたくさんの最後があるのだろう。



私だって、もっと長生きしたかった。

みんな、私の事をきっとすぐに忘れていく。



そんなのって悲しすぎるよね。





だから、今日はたくさん目立つことをする。





私は授業で、なるべくたくさん挙手をした。

これが最後じゃなければ、挙手なんてしなかったと思う。



クラスのみんなや先生も驚いていた……はず。




おかげでその日の昼休みは、いろんな人が話しかけてくれた。


きっと、今まで静かだったのに、急に発言するようになった私に興味をひいてくれたんだと思う。

事実かは分からないけど。





初めてこのクラスで良かったと思えた。




みんな、明るくて元気で面白かった。

同時に少しだけ、羨ましかったけど、ね。




せっかく色んな人と話せたのに、全てが消えるんだから。





寂しいけど、苦しいけど、辛いけど。
諦めるしかないんだ。



だって、治療法や遅らせる方法なんて、何もないんだから。






諦める……か。

これも嫌いな言葉だなぁ。






授業が終わった途端に一人で走って家に帰った。


一緒に帰ろうと誘ってくれる人は、居たんだけど全て断っておいたんだ。





これ以上、幸せを胸に摘めたら、泣いてしまいそうだから。




最後の学校……楽しかったな。









空を見上げると、青空が見えた。

でも、少しだけ太陽に雲がかかっている。





まるで私の心みたいに、ね。

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