俺がいる…… *続き* ページ31
[彩side]
うっ、頭が痛い……!
不意にそう思い、目を開けた。
すると、真っ白な部屋が目に、入ったんだ。
天井も壁も今寝ているベッドも、全てが白い。
私の部屋とは違う……。
何でこんなところにいるの?
考え込んでいると、ハッと思い出したんだ。
私……女の子に突き落とされたんだった。
たしか、電車にも轢かれた。
でも、こうやって生きてるわけだし、無事だったんだよね……?
自分の体を見ていると、あちこちに赤く染まった包帯が巻いてあった。
そして、少し手を動かしてみると激痛が走る。
いたっ……あんまり動かない方がいいみたい。
どうして、わたしがこんな目に遭ったの?
この事故は確実に意図的に作られたもの。
だって、明らかに両手でわざと押されたから。
それはつまり、あの女の子が私を恨んでいたことの証明。
でも、何もしていないよね?
ただのクラスメイト。
それなのに何故?
考え込めば、考え込むほど、混乱して頭が痛くなった。
こんな痛い目に遭うくらいなら、いっそあの事故で死んでしまえれば良かったのに。
真面目に生きて、勉強して、運動して、誰よりも努力してきたんだよ。
KZのみんなに並べるように、ずっとずっと血の滲むような努力ばかりだった。
そんな日々だったのに、こんなことになるなんて……。
泣きそうな思いでいると、ふと思い出したことがあった。
それは放課後、たまたま通り過ぎた教室での女子たちの会話。
“立花さんって七鬼君とかにばっかり構ってもらってずるいよね”
“それな。
それに秀明っていう塾のKZのみんなとも親しいらしいよ?”
“うっわ!
痛い目遭わせない?”
驚きのあまり、頭痛なんて吹き飛んだ。
この会話が行動に移ったとしたら?
きっと、KZのみんなと一緒にいたから、こんな目に遭ったんだ。
KZと一緒にさえいなければ……!
KZは悪くない。
そう分かっていても、被害妄想が止まらなかった。
私のこの大きな事故はKZのせい。
そんな理不尽を考えるようにさえ、なっていたんだ。
KZなんてもう要らない。
それから、私は生きがいのKZを失った。
つまり、生きる意味が消えた。
私は次第にノイローゼになるほど呟き始める。
消えてしまいたい、と。
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にゃ〜 - 私、ヤンデレ知らなかったけど、コレ見たら好きになった! (5月13日 21時) (レス) @page45 id: 26a4d90e30 (このIDを非表示/違反報告)
にゃ〜 - ブラックkz大好きだから嬉しい! (2023年5月6日 10時) (レス) id: 26a4d90e30 (このIDを非表示/違反報告)
shiu - 他のヤンデレの小説増えるといいなー【ぬしさんがあまりにもすごいヤンデレ小説を書いたからヤンデレKZもっとみたくなった人】 (2022年10月15日 20時) (レス) @page45 id: b2b43a1e98 (このIDを非表示/違反報告)
shiu - ヤンデレ俺も好きー (2022年10月15日 20時) (レス) @page44 id: b2b43a1e98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 作品を見てブラックに目覚めました…!素敵なお話ありがとうございます!! (2022年7月2日 21時) (レス) @page27 id: c6a98f33d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あき@草売り大魔王 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp
作成日時:2020年10月17日 12時